岩石の記載と顕微鏡写真、反射電子線像


8/18噴出物では、同じ斑晶組み合わと組織の特徴をもった様々なサイズ(細粒の火山灰から直径数十センチの火山岩塊)の噴出物が、噴出物全体の過半数を占めている。これらの同一の特徴をもつ噴出物は、サイズによって発泡度には違いがあるものの、斑晶としては斜長石、普通輝石、オリビンをもち、石基の結晶度が発泡片としては比較的高いという共通の特徴があり、同じマグマに由来したと考えられる。

8/18 噴出の礫の顕微鏡写真(クロスニコル)
撮影範囲の横巾は約3mm


村営牧場付近で採取された長径約30cmの火山弾の反射顕微鏡写真
写真の横巾は約2mm

中央からやや右にかけての大きな灰色の粒子は斜長石斑晶。中央やや左寄りの明るい粒子はオリビン。両者の中間的明るさをもった右下の石基部分に見られる50〜200ミクロン程度の粒子は輝石。

雄山林道で採取された直径約3cmの火山礫の反射顕微鏡写真
写真の横巾は約0.35mm

微斑晶として斜長石・オリビン・輝石を持ち、石基の微結晶として斜長石・輝石・磁鉄鉱を持つ。左上のやや大きな灰色の粒子は斜長石微斑晶。コアとリムを持つ。リムと石基部分の斜長石微結晶の組成はほぼ一致。磁鉄鉱は石基の微結晶として存在するが、数μ以上の大きさをもったものはめったにない。

東電営業所前(採取者-気象庁)で採取された粗粒火山灰の反射顕微鏡写真
写真の横巾は約0. 5mm

火山灰として放出されたものの6割以上を写真のような発泡片が占めている。斜長石微斑晶はほとんどの粒子で観察される。オリビン微斑晶はの数個の粒子に対して1個の粒子で見られる程度で斜長石よりは出現頻度は低い。石基にある輝度の高い点は2-3ミクロン以下の磁鉄鉱の微結晶。

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