2.10.1 地震・火山噴火予知研究協議会企画部

全国の大学等が連携して「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(旧地震・及び火山噴火予知のための観測研究計画)」を推進するために,地震研究所には地震・火山噴火予知研究協議会が設置されている(9.2を参照).地震・火山噴火予知研究協議会の下には企画部が置かれ,研究計画の立案と実施で全国の中核的役割を担っている.企画部は,流動的教員を含む地震火山噴火予知研究推進センターの専任教員,地震研究所の他センターの教員,客員教員から構成されている.流動的教員は,地震研究所以外の計画参加機関にも企画部の運営に参加してもらうために,東京大学以外の大学から派遣されており,2年程度で交代する.企画部では次のような活動を行っている.

1)研究計画全体の立案,また,そのための研究集会の企画.

2)研究進捗状況把握と情報交換のための研究集会の企画.関連研究分野との連携研究の推進.

3)研究成果報告のためのシンポジウムの運営と計画全体の研究成果の取りまとめ.

毎年3月に成果報告シンポジウムを行い,大学だけでなく研究計画に参加するすべて機関の研究課題の成果が発表される.科学技術・学術審議会測地学分科会が毎年作成している成果報告書では,各課題の成果報告に基づいて全体の成果の概要を取りまとめている.2011年東北地方太平洋沖地震の際には,企画部が中心となって,緊急研究の実施,シンポジウムの開催,研究計画の見直しを行った. 2014年には,多数の研究課題間の連携を強化して,より効果的に研究計画を推進するために,東京大学地震研究所以外の多くの大学の研究者も参加する研究戦略室を企画部の中に設置した.