活断層などの地震活動域の構造探査は,地震予知研究推進センターが中心となって進めている.自然の電磁場変動の観測によるMT法の群列観測や,制御された人工的な電磁場を用いた手法などを適用する.特に後者は,ノイズの影響の著しい場所の地殻深部の探査を可能にするために開発した方法である.最近の共同観測は,奥羽脊梁山脈(平成10年度)・出羽丘陵(平成11年度)・日高衝突帯(平成12年度)・伊豆半島東部(平成7,9,10,11,12年度)などにおいて実施された.いくつかの地域では,微小地震が比抵抗構造の境界付近に分布していることや,断層に沿って低比抵抗帯が連続していることを示唆する結果が得られている.
火山における研究は火山噴火予知研究推進センターおよび地震予知研究推進センターが協力して進めている.最近は,雲仙火山や霧島火山など,九州の火山の構造探査を対象として,火山体浅部の地下水の分布と噴火前兆現象の発現との関係の解明や,マグマ溜りの存在する深さと噴火様式の関連などについて研究がなされている.