鳥取県西部地震の破壊過程を,震源域近傍の強震記録から逆解析により求めた結果を図2に示す。断層面は、震源より南側で走向N142°E,長さ14km,幅13kmを,北側で走向N158°E,長さ16km,幅13kmを想定して解析した。大きな滑りを起こした領域は震央付近の深さ2kmから6kmに位置しており,最大すべりは4 mである。この地震の地震モーメントは1.2 x 10 19 Nmである。
余効性地殻変動を観測するために地震発生から5日後の10月11日から12月27日まで地震研究所で開発した1周波受信機を用いてGPS観測を行った.観測点は地震断層に直交するような直線状とし,震央の位置を中心とし断層の西側,東側にそれぞれ4点ずつ設置した.観測点の間隔は500mから1200mである.図3に観測点の位置と各観測点の水平変動を示す.地震時の変位と同じ向きの余効変動が観測された.
図1.鳥取県西部地震の余震分布図(2000年10月6日〜2001年1月16日)。京都大学(KYT)、防災科学技術研究所(Hi-net)のデータを統合して震源決定を行なった.
図2.鳥取県西部地震の破壊過程.断層の西側から見ている.
図3.10月11日から11月2日までの各観測点の平均的な水平変動ベクトル.