6-10) 八ヶ岳地球電磁気観測所

 

 当観測所は,1970年に地震予知計画の一環として「八ヶ岳地磁気観測所」として設置され,東海・甲信越地方の地磁気観測の基準観測所として役割を果たしてきた.近年の地震予知研究では,地磁気観測に限らず地電位差や電気抵抗などの諸観測・研究の重要性も増してきたことから,1994年に名称を「八ヶ岳地球電磁気観測所」と改称した.観測は,ノイズの影響を避けるため観測所庁舎から約5km離れた八ヶ岳山麓(138°27’E,36°04’N,標高1,170m)で行っている.主要観測設備は,プロトン磁力計(通常型およびオーバーハウザー型,各精度1nT・感度0.1nT),フラックスゲート型磁力計2台(3成分精度1nT・感度0.1nT),高感度3成分フラックスゲート型磁力計(感度0.01nT)絶対観測用磁気セオドライト(角度精度0.1分),地電位差計(2成分,分解能各10mV)などとなっている.データは観測所庁舎までリアルタイムで伝送し収録している.全磁力観測データは,地震予知計画による全磁力永年変化精密観測の中部日本を代表するデータとして地震予知連絡会に報告されている.

 当観測所の役割として,基準観測所としての観測のほかに,地殻活動に関連した電磁気現象の研究を行うことがあげられる.そのために1980年以降は,地震予知計画により伊豆・東海地方において地磁気全磁力・地磁気地電位差・電気抵抗変化の連続観測などを行っている.また,全国の研究者と共同して実施するネットワークMT観測や地殻比抵抗構造精密探査などの共同観測においても,基準点として当観測所の果たす役割は大きい.

 

1.八ヶ岳地球電磁気観測所(YAT)の担当する東海・伊豆地域の連続観測点,富士宮篠坂(SHN)・俵峰(TAW)・春野(HRN)・相良(SAG)・奥野(OKN).

 


 

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