ウェブサイト立ち上げ: 2009年8月9日(日)
最終更新日: 2009年8月17日(月)
2009年8月9日19時56分ごろ,東海道南方沖でマグニチュード(M)7.1(USGSによる)の地震が発生しました.この地震により,東北地方から関東にかけて最大震度4の揺れが観測されました.
この地震についての速報を報告します.(アウトリーチ推進室)
【更新情報】
- 「煤書き記録」を掲載(8月16日)
- 「8月13日午前7時49分頃の八丈島東方沖の地震について 周辺の地震活動」を追加(8月13日)
- 「震源過程インバージョン」を掲載(8月12日)
- 「想定東海地震との関係」を掲載(8月9日)
- 「異常震域とは」を掲載(8月9日)
- 「東海地域の震源分布」を掲載(8月9日)
【想定東海地震との関係】
今回の地震は太平洋プレートに関係した深発地震であり,フィリピン海プレートの境界で発生する想定東海地震とは関係ありません.
【異常震域とは】
下の図は今回の地震の震度分布です(気象庁ウェブサイトより).東北地方南部から関東地方の太平洋沖で震度4を観測しているのが分かります.一方で,東海地方や関西では震度2~1となっています.
このように,震源に近いところではなく,遠いところで広範囲に渡り大きな震度が観測されることを『異常震域』といいます.
異常震域は深発地震(震源が深い地震)の時によく見られます.これは地球内部の構造に関係があります.地震波は,震源の真上にあるマントル内よりも太平洋 プレート内を伝播する方が減衰が小さくなります.このため,震源からは遠くても太平洋プレートに近いところで震度が大きくなるのです.
【東海地域の震源分布】
東海地方の震源分布.1997~2006年の気象庁一元化震源をプロット.(水平面の図にはM2.5以上のものを使用,断面図にはA-B,C-D側線の±20kmの範囲内に入っている,全ての震源データを使用しました.)
【震源過程インバージョン】
Natalia Poiata 氏(博士課程2年)による
【煤書き記録】
地震研究所には100年前に開発され,今も稼働している大森式地震計を始めとした煤書きの地震計があります. (ラボツアーや一般公開にお越し頂いた方にはお馴染みの地震計博物館です.)煤書きの地震計で今回の地震が記録されました.
以上,渡邉篤志・宮川幸治 技術職員による
【8月13日 午前7時49分ごろの八丈島東方沖の地震について ~周辺の地震活動~】
【リンク】
- 気象庁地震情報(震源・震度に関する情報)
- 防災科学技術研究所
- USGS アメリカ地質調査所 “IZU ISLANDS, JAPAN REGION”