課題番号:0101
(独)情報通信研究機構
航空機等からの先端リモートセンシング技術(SAR等)を用いた地表面変動の把握技術の開発
新規に開発した航空機SARの高分解能性を利用し、地表面の変動を高精度に3次元的に計測する手法を開発しシミュレーション実験等を通して実用に向けた評価を行う。また、実際の災害発生時には、本システムを用いた観測を実施し災害予測等に役立てる。
新規に開発した航空機SARは、これまでのシステムに比べ分解能が飛躍的に向上している。また航空機上において本格的なSAR処理を行い、緊急時にデータを即時に配布する技術の開発もすすめている。この新航空機SARを用いて、地震および火山噴火における予知のための観測研究に必要な要素技術の開発と実用化に向けた評価を進めるとともに、国内の幅広い地域での観測を実施し、変動把握のベースとなるデータの蓄積及び公開を進める。
平成18年度から開始した高分解能(1m以下)航空機搭載合成開口レーダ(SAR)は、機上のハードウェア部分については平成20年度までに完成させ、試験的な画像再生処理を用いて、設計上の上限性能である30cmまでの高分解能が発揮できていることを確認した。21年度は、データから画像として再生するための地上処理ソフトウェアの開発を実施し、画質を向上させるために、航空機SARシステムのハードウェア特性に合わせた処理パラメータのチューニングを実施し高画質の処理が出来ることを確認した。(図1,2は、函館市五稜郭の観測例)
さらに、航空機上でデータ処理を行うシステムを開発し、データ取得後約15分で目的の部分の画像化が可能であることを確認した。
平成22年度は、21年度までに開発した航空機SARの機上、地上システムを用いて、観測後に高分解能の画像を迅速に伝送する機能の追加と、その実証実験を計画している。また、時系列データ用いた高精度な地表面変動量の推定手法に着手する。
電磁波計測研究センター 電波計測グループ
無