課題番号:3013
(独)防災科学技術研究所
強震波形データを利用した震源過程の推定
リアルタイム・準リアルタイムに配信される地震観測データをさらに迅速に解析に取り込むこと、強震波形および地下構造のデータベースを活用してグリーン関数の高精度化を図ることにより、精度の高い震源破壊過程の推定を地震発生後の早い時期において実現することを目標とする。
リアルタイム化された地震観測網による地震波形データを即時に解析システムに取り込むこと、準リアルタイムに配信される震源情報、震源メカニズム情報との連携を高めて断層面など震源逆解析に必要なパラメタの速やかな設定を可能とすることにより、大地震発生直後における震源過程解析のさらなる迅速化を図る。また、防災科研において構築されている地下構造データベースと連携することにより、地震発生直後においてもできるだけ精度の高いグリーン関数を用いた震源過程の推定を図る。さらに、これまで蓄積されてきた中小地震や余震の強震波形記録を用いて地下構造モデルを効率的にチューニングする手法の開発とその手法を用いた解析システムの構築を行い、観測点ごとに適切なグリーン関数を短期間で構築することを目指す。
リアルタイム化されたK-NET、KiK-netによる強震波形データを即時に解析システムに取り込むとともに、自動的にHi-netの震源情報を取得して断層面の設定に有用な情報である余震分布図を作成し一定時間ごとに更新を行うようにシステムを改修した。また、2009年8月11日に発生した駿河湾の地震の震源過程の推定を行った。
大地震発生後、速やかに地震概況を把握して断層面の設定を行うために、Hi-netの震源情報に加えてF-netによるモーメントテンソル解を自動的に取得して、震源分布とモーメントテンソル解から想定される断層面の包括的な図面を作成するようにシステムの改修を行う。
地震研究部 地震観測データセンター 強震観測管理室
有
京都大学防災研究所(関口春子准教授)との共同研究を予定している。