課題番号:3014

平成21年度年次報告

(1)実施機関名

(独)防災科学技術研究所

(2)研究課題(または観測項目)名

噴火機構の解明と火山噴火シミュレーション開発

(3)最も関連の深い建議の項目

    • 2.地震・火山現象解明のための観測研究の推進
      • (3)地震発生先行・破壊過程と火山噴火過程
      • (3-3)火山噴火過程
        • ア.噴火機構の解明とモデル化

(4)その他関連する建議の項目

  • 2.地震・火山現象解明のための観測研究の推進
    • (2)地震・火山噴火に至る準備過程
    • (2-2)火山噴火準備過程
      • ア.マグマ上昇・蓄積過程
    • (3)地震発生先行・破壊過程と火山噴火過程
    • (3-3)火山噴火過程
      • イ.噴火の推移と多様性の把握

(5)本課題の5か年の到達目標

火山噴火予知や推移予測を定量的に行うため、地下におけるマグマの移動および上昇過程について、岩脈状マグマ貫入や火道内のマグマの発泡等についての定式化、モデル化を実施する。また、それに基づく噴火予測のためのシミュレーション技術の設計・開発を行う。これとあわせ、噴火推移や事象発生を確率的に評価する手法を開発する。

(6)本課題の5か年計画の概要

 地下のマグマ移動過程のマスターモデル作成に向け、亀裂媒質中におけるマグマ貫入モデルのシミュレーションを行うとともに、関連する火山性地震・火山性地殻変動などの現象のモデル化を行う。また、溶岩流・火砕流等のシミュレーションについて、技術の汎用化を行う。
 平成21年度においては、マグマ移動過程マスターモデルVer.1構築し、これをもとに噴火モデルを作成する。これと連携し、溶岩流・火砕流等シミュレーション技術の汎用インターフェースを作成する。
 平成22年度以降は、マグマ移動過程マスターモデルの高度化を進め、噴火予測のためのシミュレーション技術の開発を進める。

(7)平成21年度成果の概要

地下のマグマ移動マスターモデル構築に向け、個別要素法により3 次元応力場におけるマグマ貫入
シミュレーションを実施した。特に岩脈(Okada) モデルと球状(Mogi) モデルを対象に、岩脈貫入の応力場依存性・物性値依存性について定量的評価を行った。また同様に粒子法であるSPH による岩
貫入シミュレーションを実施し、計算の安定度評価のための適切な人工粘性の導入が必要なことがわ
かった。また、破壊条件の適用に着手した。溶岩流シミュレーションについて、シミュレーション管
理システムを導入し、データベース化を進めた。また、三宅島の噴火間隔について、確率密度関数に
よる評価手法を検討した。

(8)平成21年度の成果に関連の深いもので、平成21年度に公表された主な成果物(論文・報告書等)

    (9)平成22年度実施計画の概要

    粒子法により、地下のマグマ移動マスターモデルVer.1 を作成し、岩脈貫入や上昇過程を評価する
    システムを開発する。さらに、マグマ上昇に伴う減圧発泡効果に関する定量シミュレーションを実施
    する。

    (10)実施機関の参加者氏名または部署等名

    防災科学技術研究所 火山防災研究部、地震研究部

    他機関との共同研究の有無

    米国地質調査所(カルデラ火山の活動についての研究)
    イタリア国立地球物理学火山学研究所(火山溶岩流災害軽減手法の開発)

    (11)問い合わせ先

    • 部署名等
      防災科学技術研究所企画部広報普及課
    • 電話
      029-851-1611
    • e-mail
      toiawase@bosai.go.jp
    • URL