課題番号:3019
(独)防災科学技術研究所
GPS解析手法の高度化
最新の気象数値モデル等を用いて、1日以内の準リアルタイムの大気伝播遅延補正を可能にするための手法を開発する。また、最新の全球気象数値モデルを用いて、全球的な気圧配置の変動に起因する地球の気圧荷重個変形を高精度で計算し、1日以内の準リアルタイムの気圧荷重変動補正を可能にするための手法を開発する。
平成21年度においては、JMAのメソスケールモデルを用いて、1日以内の準リアルタイムで大気伝播遅延補正を行うためのプログラムの開発を行う。
平成22年度においては、実際の観測データを用いて、1日以内の準リアルタイムで大気伝播遅延補正を行い、精度の評価を行う。
平成23年度においては、JMAのグローバルモデルを用いて、1日以内の準リアルタイムで大気荷重変動補正を行うためのプログラムの開発を行う。
平成24年度においては、実際の観測データを用いて、1日以内の準リアルタイムで大気荷重変動補正を行い、精度の評価を行う。
平成25年度においては、JMA以外の気象モデルを用いた場合の精度の向上について検討するほか、東海地域等のGEONET観測網のルーチン的な解析に、本研究で開発した大気伝播遅延補正手法や大気荷重変動補正手法を組み込んで、実用化する。
1日以内の準リアルタイムで、GEONET観測データのRINEXファイルを自動的に収集・解析・アーカイブするプログラムを開発した。また、JMAのメソスケールモデルを自動的にダウンロードするプログラムも開発した。さらに、JMAのメソスケールモデルを用いて、国内GPS観測データの大気伝播遅延量を補正するプログラムについて、情報通信研究機構の共同研究者からの提供を受けた。これらのプログラムを組み合わせることにより、平成22年度に実際のGEONET観測データを用いて、1日以内の準リアルタイムで大気遅延補正を行う目処を付けた。これらのプログラム開発により、本課題の本年度の計画をおおむね達成した。
平成21年度に開発したプログラム群を組み合わせて、1日以内の準リアルタイム自動処理により、関東・東海地方のGEONET観測データを国土地理院のデータサーバからダウンロードし、JMAのメソスケールモデルを用いて大気伝播遅延量補正を行い、GPSデータ解析により観測点座標値を求めるルーチン処理を試験的に走らせて,従来のマッピング関数を用いた解析結果と比較する。
島田 誠一
有
情報通信研究機構 トーマス ホビガー・市川 隆一