課題番号:5005
(独)産業技術総合研究所
火山地質図整備及び噴火シナリオの作成・高度化
将来噴火の可能性の高い活動的な火山である十勝岳、樽前山、諏訪之瀬島、九重山などの噴火履歴調査を実施し、これらの火山の形成史や噴火履歴などの地質情報を記載した火山地質図及び火山地質データベース(CD-ROM)として整備する。
また、伊豆大島火山などについて、新たな地質調査やマグマ組成の解析などに基づき、噴火シナリオを作成、高度化を図る。
平成21年度においては十勝岳及び樽前山の火山地質図を印刷刊行する。また、九重火山、諏訪之瀬島火山の噴火履歴調査を引き続き実施し、形成史を解明するとともに、定量的な噴出物量、化学分析、年代測定等の基礎データを得る。平成22年度以降、これらの火山に加え、優先して最新の噴火履歴情報を整備すべき火山について噴火履歴調査を実施し、火山地質図の整備をめざす。
伊豆大島火山については、近海の側火山噴出物の調査のほか、地表調査、ボーリング・トレンチ調査に基づき、過去の噴火様式、マグマ組成の空間時間変化などを解明し、噴火シナリオを作成、高度化する。また、ほかのいくつかの火山についても噴火シナリオの作成を試みる。
活動的火山である十勝岳及び樽前山について、詳細な噴火履歴調査に基づき、火山地質図を完成し印刷刊行した。また、九重火山及び諏訪之瀬島火山の噴火履歴調査を前年度に引き続き実施し、定量的な噴出物量、化学分析、年代測定等の基礎データを得た。
伊豆大島火山については、海洋調査船を用いた海底調査を行い、また、噴火履歴調査とともに小規模トレンチ調査を実施し、層序、山頂噴火と側噴火の推移を明らかにするとともに、噴出物の年代について新たな情報を得た。また前年度に行ったボーリングコア試料の室内研究を行い、ボーリングは現在のカルデラ形成期より古い地層まで達しており、これまで明らかでなかったカルデラ東部の地下構造を明らかにできた。
活動的火山である九重火山及び諏訪之瀬島火山の噴火履歴調査を前年度に引き続き実施し、定量的な噴出物量、化学分析、年代測定等の基礎データを得る。また、新規に1火山について噴火履歴調査を開始する。
伊豆大島火山において、噴火シナリオの高度化のために、地表噴火履歴調査を引き続き実施し、年代測定と層序調査、噴出物解析に基づき、噴火様式、マグマ組成の時空間変化などを解明する。
地質調査総合センター
有
北海道大学、鹿児島大学、富士常葉大学など