課題番号:5008
(独)産業技術総合研究所
断層周辺の地下構造調査への地震波干渉法等の適用
断層面の不均質性や地下状態のモニタリングに必要な地下構造の情報を取得するために、地震波干渉法等の手法を試し、有効な調査や処理の手法の確立を目指す。
前半は、反射法地震探査等により地下構造の明らかとなっている地域において地震波干渉法等を適用し、地震波干渉法等で反射法地震探査に近い精度の構造を得られるように調査や処理の手法の改善を行う。後半は、特に反射法地震探査が困難な都市域や人工ノイズの大きな地域で、かつ、断層面の不均質性解明の見込まれる地域や、地下状態のモニタリングが望まれる地域において、地震波干渉法等を適用する。
地震波干渉法を断層や褶曲といった地震に関連の深い構造の調査に適用できるかを検証するために、2003年宮城県北部で発生した地震の震源域において調査を行った。当該年度は予備的な処理として各受振点における自己相関および垂直重合を施し、ゼロオフセット記録のみの断面を作成した。その結果、既存の反射法地震探査による断面と比較すると不明瞭かつ低分解能ではあるが、撓曲等の特徴的な構造を得ることができた。また、調査の現場において自己相関までの処理を可能とした。
平成21年度に取得したデータについて相互相関および反射法地震探査の処理を施し、最終的な断面を得る。
地震波干渉法を断層や褶曲といった地震に関連の深い構造の調査に適用するにあたり、問題点を把握する。
相互相関等の多大な計算機資源を必要とする処理の高効率化を図る。
地質情報研究部門 地殻構造研究グループ
無