課題番号:6001
国土地理院
GPS連続観測(GEONET)
1) GEONETによる地殻変動連続観測を着実に継続し、日本列島全域の地殻変動・火山活動のモニタリングシステムの高度化をさらに推進することを目指す。
2) 地震発生の可能性の高い南海トラフや日本海溝・千島海溝沿いの地域において、GPS機動連続観測を実施する。また、地震発生後の地殻変動を把握するためにも、GPS機動連続観測点を機動的に設置し緊急観測を実施する。
3) 電子基準点のデータを用いた地震に伴う地殻変動の検出と震源断層モデルの推定を早期に行うため、緊急地震速報等の地震情報を活用して、震源断層推定手法の高度化を行う。
4) 国際GNSS事業(IGS)に参加し、IGS観測局の運用・データのIGSデータセンターへの提供を行うことにより、プレート運動や地殻変動の高精度な監視に必要なGPS衛星の精密軌道の決定やITRFの構築に貢献する。
1) 全国において、GPS連続観測点を平均20キロメートル間隔の配置として維持するとともに、観測を継続する。また、世代GNSSへの対応を考慮しつつ、電子基準点の更新計画を推進する。必要に応じて、重点的な観測地域においては、観測点密度を考慮した観測体制の充実を目指す。
2) 平成21年度以降においては、静岡県中西部地区6点および牡鹿地区1点についてGPS機動連続観測点の観測を継続する。
3) 平成21年度においては、伊豆半島周辺域を対象に試験運用を行っているリアルタイム地殻変動観測システムを用いて、リアルタイム自動抽出された電子基準点における地震時地殻変動データから、矩形断層を仮定した震源断層モデルの自動推定手法の開発を行う。平成22~24年度においては、GEONETのルーチン解析結果や準リアルタイム解析によって得られた日本全国の地震に対象を広げて、震源断層の早期推定実験を試行し、震源断層モデル推定手法の改良、高度化を行う。
4) 6局のIGS観測局の運用・データの提供を着実に実施する。国際GNSS事業(IGS)に参加しIGS観測局の運用・データのIGSデータセンターへの提供を継続し、地殻変動やプレート運動監視の基準となるITRF座標系の構築に貢献する。
GEONETによる地殻変動連続観測を実施し、日本列島全域の地殻変動・火山活動のモニタリングを着実に行った。平成21年度は、解析ソフトウエアをバージョンアップするとともに,大気遅延勾配の推定やアンテナの絶対位相特性モデルの採用などの新しい解析戦略を適用した。これにより系統的な誤差の大幅な軽減が図られ、地殻変動の検出により有効であった。8月の駿河湾の地震、12月の伊豆半島東部の地震などで検出された地殻変動は、地震の発生メカニズムの解明に寄与した。これらの結果は、速やかにホームページなどで公表するとともに、地震調査委員会などに報告した。
なお、GEONETの観測データから得られる水蒸気データは、平成21年10月28日より、気象庁メソ数値予報モデル(MSM)の初期値を作成するメソ解析において利用が開始された。これによってMSMの初期値の水蒸気量の精度が向上し、降水の予報の精度が改善された。
国際GNSS事業(IGS)に参加し、IGS観測局の運用・データのIGSデータセンターへの提供を行った。(衛星測地課・地殻監視課)
GPS機動連続観測点は、静岡県中西部地区6点および牡鹿地区1点において観測を継続実施した。(機動観測課)
伊豆半島周辺域を対象としてGEONET1秒データのリアルタイム解析の試験運用を行い、M7程度の大地震が発生した場合に緊急地震速報を用いて地震時地殻変動の迅速な検出と断層モデル推定を行う手法を開発した。リアルタイム解析の安定性と解析精度が極端に悪化する時間帯があるという問題点が明らかになったが、好条件下では地震時地殻変動の迅速な検出が可能であることがわかった。(地殻変動研究室)
GEONETによる地殻変動連続観測を着実に実施し、日本列島全域の地殻変動・火山活動のモニタリングを引き続き行うとともに、次世代GNSSへの対応を考慮しつつ、電子基準点の更新計画を推進する。また、IGS観測局の運用・データのIGSデータセンターへの提供を引き続き行う。(衛星測地課・地殻監視課)
引き続き、静岡県中西部地区6点および牡鹿地区1点においてGPS機動連続観測点の観測を継続する。(機動観測課)
震源断層の即時推定手法をGEONETのルーチン解に適用するための技術開発を行う。(地殻変動研究室)
測地観測センター衛星測地課、地殻監視課、測地部機動観測課、
地理地殻活動研究センター地殻変動研究室
有
気象庁、東北大学