課題番号:7011
気象庁
東海地震予知技術と南海トラフ沿いの地殻活動監視技術の高度化に関する研究 -監視・解析技術の高度化-
・精密制御震源を用いた信号解析において、数10km離れた地点における精密制御震源からの信号の時間分解能向上させる。信号に含まれる波群の性質の解明と変動源の推定を行う。
・レーザー式変位計による観測と長期的スロースリップ等の異常地殻変動検知技術開発を行う。歪計等データによるスロースリップ等の異常地殻変動源の推定手法の改良を行う。
・精密制御震源からの信号に対して、アレイ観測技術を用いて、精密制御震源装置から数10km以上の遠方の観測点においても、10日以内程度の時間分解能の時間変化を観測する手法を開発する。また、観測されている信号に含まれる信号の性質を、理論波形計算手法などを用いて解明する。
・レーザー式変位計のデータについて、長期ノイズレベルの評価とそれに基づく前兆すべり検知能力評価を行う。地殻変動源推定において、精密なプレート形状データを解析に導入すると共に、レーザー式変位計、多成分歪計、体積歪計および他機関データを用いた短期的スロースリップ現象の変動源特定等を行う。今後観測されうる異常変動の識別への利用及び地震発生シミュレーションに対して参照データを提供するため、過去の東海~南海地域の測地データについて再調査を行って一貫した長期的地殻変動データを作成し、その特徴を把握する。
・精密制御震源(弾性波アクロス)からの信号とノイズレベルの関係を調査し、地震波速度の時間変化を調査する上での最適なスタッキング時間を求めた。また、その結果を活用し、広域の観測点における走時時間変化を求め、その特徴把握を進めた。
・精密制御震源からの信号について、東海臨時稠密地震観測(Kato et al., 2009)の結果を解析し、Hirose et al.(2007)のプレート形状を取り入れた理論走時解析と比較し、プレート境界面からの反射波を判定した。
・愛知県東部の定常観測点近傍において臨時アレイ観測を行い、定常観測点における精密制御震源からの信号中の波群について、地下深部からのものと地下浅部からのものを識別した。
・レーザー式変位計の地震波応答に関して調査を行い、地震波応答と潮汐応答の理論値に対する比がともに約0.5であることを明らかにした。
・GPSデータの詳細な解析により、2005年に小規模な長期的スロースリップが四国西部で発生していたことを見出した。
・敦賀・今津の多成分歪計について水位・降水応答を補正し、東海の長期的スロースリップと同時期に歪変化が見られることを指摘した。
・水準および潮位の過去データを用い、豊後水道における長期的スロースリップ現象が過去から繰り返し発生していたことを発見した。
・アクロス信号を解析し、時間変動要因を分析する。
・短期的スロースリップの効率的な検出方法の検討を行う。
・長期的スロースリップ現象の再解析と降水影響に関する経験的モデルの改良を行う。
・水準測量・潮位の過去データの統合処理を行う。
地震火山研究部
無