課題番号:7012
気象庁
震源精度向上と地震活動情報の高度化に関する研究
3次元地震波速度構造を用いた震源の高精度決定手法を開発する。
地震活動の特徴抽出による地震活動度および地震発生確率の評価を行う。
全国的に、より高精度に推定された震源分布を得るべく、これまで気象研究所において調査を進めてきた3次元地震波速度構造を用いて震源計算を行う手法を開発する。その際に、計算の高速度化に関する開発や地殻構造の特徴把握に関する調査も行う。また、観測点の不足している海域については、自己浮上式海底地震計よる観測を行い、震源位置の参照データを得る。
最新のデータを解析し、b値の地域性を明らかにすることにより、現在の活動度の特徴をより反映させた予測モデルを作成する。応力変化と地震活動変化を結びつける物理モデルの評価を行い、地震活動予測への適用可能性を調査する。また、相似地震などの繰り返し地震について、統計的特徴を精査することにより、地震発生予測モデルを構築する。
・これまでに推定した速度構造を元にして、観測点毎の3次元走時表の作成を行った。また、走時表計算おいて、波線追跡法では隣接するグリッド間で走時に段差を生ずる場合があるという欠点を補うために、波面追跡走時計算法を取り入れた。
・海底地震観測により、東南海ケーブル式海底地震計設置域におけるより正確な震源位置を把握した。
・地震の規模別頻度分布をGutenberg-Richter(G-R)式および改良G-R式で近似する手法を基に,日本の深さ30km以浅でM5.0以上の地震が発生する確率を算出するモデルを試作し、地震発生予測検証実験(日本版CSEP)に参加した。
・静岡県西部で発生した群発地震活動について、潮汐による応力変化と地震活動度変化の関連性について調査した。
・相似地震について基本的統計モデルを開発し、事前予測と観測データによる検証を開始した。
・メカニズム解分布の変化の統計的検出手法を開発した。また、自動メカニズム解の評価も行った。
・これまでの調査で問題点が明らかになった初期速度構造を再構築する。
・a値およびb値から地震の発生確率を求める。
・応力と地震の関連性の既存モデルによる評価を行う。
・相似地震等の基礎的統計モデルの作成を行う。
地震火山研究部
無