課題番号:7022
気象庁
気象観測技術等を活用した火山監視・解析手法の高度化に関する研究
気象レーダー等のリモートセンシング技術を用いた噴煙観測手法や空振観測等から、噴火発生やその規模を迅速に検知する手法を開発するとともに、移流拡散モデルによる降灰予測手法に用いる初期値の改善を行う。
火山性震動の客観的・定量的な処理手法の開発によって、火山異常をより迅速・正確に把握するための監視・データ解析技術を開発する。また、干渉SARによる地殻変動観測について、気象の影響の除去手法を開発する。
気象レーダーや紫外線によるSO2カメラを用いたリモートセンシング技術による噴煙観測手法について研究し、噴火の検知力の評価や噴煙の動力学的研究を行う。その上で得られた成果をもとに、移流拡散モデルによる降灰予測における噴煙モデルをより現実的なものに改善する等の技術開発を行う。
降灰予測における初期値改善に資するための空振データの解析手法等監視・データ解析技術を開発する。さらに、空振観測において大きな障害となる気象ノイズの除去手法として、空振計アレイによる空振の検知や空振源推定に関する手法を開発する。
干渉SARによる地殻変動観測における地形や水蒸気量の時空間分布の変化による観測データへの影響を評価し、その補正手法を開発する。また、火山性震動多発時の処理手法等、火山観測データの客観的・定量的な処理手法の開発によって、噴火や火山異常をより迅速・定量的に把握するための監視・データ解析技術を開発する。
降灰予測及び火山灰拡散予測手法に用いる噴煙、移流拡散モデルの改善を進め、そのために、既存の気象レーダー等で捉えられた火山噴煙の解析、噴煙の力学的予測モデルのプロトタイプの開発、空振アレイ観測に向けた異なる機種の空振計の比較観測を実施した。
・降灰予測に用いているメソ版移流拡散モデルにおいて、降灰量の換算方法を高分解能化して、過去事例で検証した。
・長野レーダーによる浅間山の噴煙エコーを解析し、エコー頂高度を利用した降灰量の予測を検証した。
・種子島および鹿児島空港レーダーによる桜島の噴煙エコーを解析した。
・非静力学モデルによるSarychev Peak火山の噴煙シミュレーションを実行した。
・桜島において空振比較観測を開始した。
・ALOS/PRISMデータによって全国の噴気活動の規模評価を行った。
・干渉SARの水蒸気ノイズ補正処理方法を検討し、補正処理に必要な高解像度非静力学モデルによる数値予報GPVの作成環境を構築した。
・火山性地震のスペクトル的性質からその波形タイプを客観的に分類する手法を開発した。
・既存の気象レーダーによる噴煙の動力学的研究を行う(主として鹿児島空港気象ドップラーレーダー)。
・過去の観測事例をもとに降灰予測に用いる噴煙、移流拡散モデルの開発・改良を行う。
・火山灰拡散予測に用いる全球版移流拡散モデルの開発を行う。
・空振アレイによる噴火の観測を開始する。
・SO2カメラによる噴煙の試験観測を行い、SO2放出量を定量的に評価する手法を開発する。
・干渉SARデータの水蒸気ノイズについて、高解像度非静力学モデルの数値予報GPVを用いた水蒸気量の時空間分布の変化によるノイズの補正手法のプロトタイプを開発する。
・火山性震動の客観的分類手法を活動的火山の火山性地震や微動に適用して、活動との関係を検討する。
地震火山研究部
無