2004.5.28修正

地震予知研究協議会とは?


1.新体制の経緯と目的

 地震予知研究協議会は,「地震予知に関し大学間における連繋を緊密にし,もってその有効な推進を図ることを目的」として,昭和53年に東京大学地震研究所に設置されました.いわば国の地震予知事業計画を推進する上での大学側の推進母体として発足しました.

 その後,特に阪神淡路大震災のあと,国の地震予知計画の大幅な見直しが進められる中,協議会においても問題点の整理や体制の見直しが行われてきました.その結果,「予知研究体制をより開かれたものとして広く学際的な分野からの英知を集めること,果敢で明快なリーダーシップを発揮すること,多くの研究者が参加できること」といった改革の基本方針が,協議会に設置された研究推進体制検討専門委員会によって提示されました(平成7年6月).

 一方,平成10年8月に,測地学審議会から『地震予知のための新たな観測研究計画の推進について』が建議され,とくに大学における観測研究については,「全国共同利用研究所と各大学の地域センター等で構成されるネットワークの強化」と「関連研究者が広く参加すること」の重要性が指摘されました.このような背景の下に,現実的な改革案を検討してきた結果,平成11年9月22日付けで新しい「協議会規程」が制定され,平成12年4月1日に新体制が発足しました.

 新しい規程では,協議会は単なる「連絡会」ではなく,概算要求事項等を審議する「意志決定機関」と位置づけられています.協議会は,各大学の地震予知関連施設の長,企画部の長,及び,学識経験者若干名から成ります.また,計画の立案と実行を機能的に行うために,協議会の下に企画部と計画推進部会を置きました.さらに,研究計画の進捗状況と結果の評価を行うため,協議会とは独立の「外部評価委員会」を置きました(参照).


 企画部は,計画推進部会からの答申及び大学の研究者からのプロジェクト提案を基に,地震予知研究の全体計画をまとめ,協議会に提案します.また,常時,計画の進捗状況を把握する役目を持ちます.さらに,大地震発生時の緊急対応や補正予算等の緊急予算のとりまとめを行い,協議会に連絡して予算要求を行います.

平成16年度の企画部の構成メンバーは以下のとおりです.
 
 専任教官 :山岡耕春 (部長),平田直、加藤尚之、古村孝志
 客員研究員:小菅正裕

 計画推進部会は,研究計画の実施にあたるとともに,各研究課題ごとの実行計画を立て,企画部に提案する機能を持ちます.平成12年に、建議の事業内容に基づき7つの部会が立ち上げられ、平成14年度に1つの部会が加えられました.平成16年度の計画推進部会と部会長は、以下のとおりです。


 1)「日本列島及び周辺域の長期広域地殻活動」計画推進部会 [加藤照之]

 2)「地震発生に至る準備・直前過程における地殻活動」計画推進部会 [松澤暢]

 3)「地震破壊過程と強振動」計画推進部会 [纐纈一起]

 4)「地震発生の素過程」計画推進部会 [吉田真吾]

 5)「地殻活動モニタリングシステムの高度化」計画推進部会 [鷹野澄]

 6)「地殻活動予測シュミレーションモデルの構築」計画推進部会 [松浦充宏]

 7)「新たな観測・実験技術の開発」計画推進部会 [佐野修]

 8)「地殻活動情報総合データベースの開発」計画推進部会 [海野徳仁]

以上のような新しい協議会体制の下で,大学の地震予知研究計画を整合性のとれた合目的なものとして推進していきます.