2017年度より地震研究所と史料編纂所との連携による「地震火山史料連携研究機構」が設置され,地震予知研究センターからも教員・研究員が参画している.同連携研究機構では,東京大学デジタルアーカイブズ構築事業および災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画の一環として構築した「日記史料有感地震データベース」(https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/project/eri-hi-cro/database/nikki/top_all2.html),「地震史料集テキストデータベース」(https://materials.utkozisin.org/)を公開している.
1923年関東地震の余震に着目し,日記記録と観測記録の比較や既刊の地震史料集の記述の再検討などをおこなった.地震被害を発生させる諸要因(自然素因・社会素因)は重層的で相互に複雑に関係しあっており,マルチスケール分析を用い地理学の視点から俯瞰的に捉え,被害発生構造モデルを作成することで理解が進む.このような地震被害のマルチスケール要因分析に関する書籍を出版した.市民参加型の歴史資料解読プロジェクト「みんなで翻刻」の運営を継続した.