3.5.13 歴史地震に関する研究

 2017年度より地震研究所と史料編纂所との連携による「地震火山史料連携研究機構」が設置(2024年度再設置)され,地震予知研究センターからも教員・研究員が参画している.同連携研究機構では,東京大学デジタルアーカイブズ構築事業および災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画の一環として構築した「日記史料有感地震データベース」(https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/project/eri-hi-cro/database/nikki/top_all2.html),「地震史料集テキストデータベース」(https://materials.utkozisin.org/)を公開している.

 1923年関東地震の余震に着目し,日記記録と観測記録の比較や既刊の地震史料集の記述の再検討と,有感記録の完全性についての検討をおこなった.1830年京都地震の際の上賀茂神社での被害や神社の対応について詳細に分析した.1703年元禄関東地震の際の三浦半島における津波および隆起、土砂災害に関する史料を収集した.また,歴史地震の震度判定を生成AIによって半自動化する試みを行った.大量の地震史料テキストを震度判定するために震度判定表を生成AIに学習させ,入力した地震史料テキストに対して震度判定させ,震度のほか判定の信頼度や根拠を出力させることができた.市民参加型の歴史資料解読プロジェクト「みんなで翻刻」の運営を継続した.