ひずみ集中帯プロジェクトとは?

近年,「ひずみ集中帯」と呼ばれる褶曲−断層帯において立て続けに大きな被害地震が発生している(例えば,平成16年10月の新潟県中越地震や平成19年7月の新潟県中越沖地震など).しかしながら,これらの地域では地震調査観測がこれまで十分に行われておらず,ここで発生する地震像を明らかにするための調査研究を行う必要性が高まっている.

そこで,東北日本の日本海側の地域及び日本海東縁部に存在するひずみ集中帯等において重点的な調査研究・観測を実施し,ひずみ集中帯の活断層及び活褶曲等の活構造の全体像を明らかにし,震源断層モデルを構築することにより,ひずみ集中帯で発生する地震の規模の予測,発生時期の長期評価,強震動評価の高度化に資することを目的とする「ひずみ集中帯の重点的調査研究・観測」プロジェクトが実施されることとなった.

本プロジェクトの中核機関は独立行政法人防災科学技術研究所であり,東京大学地震研究所はじめ多くの大学や機関が参加している.東京大学地震研究所では,以下のテーマに関する研究を行う.

.海域における自然地震観測(テーマ代表:金沢敏彦教授)

.電磁気学的手法によるひずみ集中帯発生機構解明と機構解明データセンターの運用(テーマ代表:平田直教授)

.反射法・屈折法による地殻構造調査(テーマ代表:佐藤比呂志教授)

.強震動評価によるモデル検証(テーマ代表:纐纈一起教授)

.古地震・津波等の史資料の収集と解析(テーマ代表:佐竹健治教授)