2025年度地球観測実習
1.授業の目的と実施項目
地球物理学では各種の観測を行い,その観測事実から“地球の中で何が起こっているか”を推定し,地球の動きを捉えることが大切です.この授業ではフィールドでの実習や講義を通して地球物理観測・計測に必要な基礎知識,測定方法,測定原理について学習します.更に,自らの観測で得たデータの解析をおこない,処理法についても学習します.各種地球物理観測の原理や方法を学ぶことは勿論ですが,観測の限界や観測につきものの各種ノイズについて理解されることも望みます.
2.地球観測論と地球観測実習
地球観測論と地球観測実習の違いについてです。
地球観測論は,1)各種地球物理観測の原理,2)その観測から何が判るのか,3)その観測の限界(精度,測定誤差の要因等)を講義で教える科目です.
地球観測実習は,フィールドでの観測を体験し,その観測データの解析を通して,観測論で学習した内容を演習する科目です.
原則として,両方の単位を取得する学生を対象にしますが,観測論だけを履修することも可能です.しかし,実習を履修する学生は,観測論の履修が必修です.
2025年度の観測実習実施項目
(1) 地球熱学 (担当:木下正高)
(2) 重力 (担当:西山竜一)
(3) 構造探査 (担当:蔵下英司・望月公廣・塩原肇・酒井慎一・行竹洋平・石山達也・山田知朗)
以下学部生が行う実習項目
自然地震(担当:井出
哲)
GNSS(担当:青木陽介)
電磁気(担当:小山崇夫・上嶋誠・臼井嘉哉)
火山化学 (森俊哉・森田雅明)
地球観測実習は,富士山周辺において,8月7日(木)-8月9日(土)の2泊3日の日程で行います. 9月に発表会を予定しており,単位の認定には実習の参加,実習発表会の両方の出席が不可欠です.
3.地球観測論の講義の日程
講義につきましては,以下のような予定ですが,変更もありえますことをご承知置きください.
金曜日 13:00−14:45
地震2回(構造・震源決定),GNSS2回,重力2回,電磁気2回,熱学2回,共通最先端2回
• 4月14日(月) ガイダンス
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4月18日(金) GNSS(青木)
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4月25日(金) GNSS(青木)
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5月2日(金)
自然地震(飯高)
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5月9日(金) 構造探査(飯高)
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5月16日(金) 重力(西山)
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6月6日(金)
重力(西山)
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6月13日(金) 地球熱学(木下)
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6月20日(金) 地球熱学(木下)
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6月27日(金) 電磁気(小山)
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7月4日(金)
電磁気(小山)
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7月11日(金) 共通最先端(新谷)
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7月18日(金) 共通最先端(新谷)
講義時間・場所の変更等の情報はこの講義のホームページに載せますので,各自注意して見て下さい.各観測項目で複数の教員の場合,講義に関する質問は講義の担当教員へ,実習に関する質問は蔵下(ekura@eri.u-tokyo.ac.jp)へ尋ねてください.
4.地球観測実習について
地球物理学的に興味深いフィールドで実際に観測を行い,そこで得られたデータの解析を行います.また,フィールド見学と特別講義を通して火山地質学についての初歩的な知識の習得も行います.
★地球観測実習に要する交通費と宿泊費の実費は各自で負担していただきます.集合時刻,集合場所等の詳細な事項は決まり次第ホームページに掲載いたします.
5.地球観測実習発表会
後日,地震研究所において,観測実習の発表会を行います.班ごとに観測の概要,解析方法,解析結果,考察,今後の課題などについてPCプロジェクター等を用いて発表して頂きます.
6.その他
地球観測実習は野外実習を行いますので,教室で講義を受けるだけの授業よりも相対的には交通事故等の危険度が高いといえます.
受講者は学生傷害保険(生協で取り扱い)への加入は必須です.
実習期間を含む数日程度の国内旅行総合保険へ加入のこと.
参考:
生協トラベルセンターで
国内旅行総合保険 4日まで 400円 程度