平成18年度地震研究所職員研修会報告

研修運営委員会

 

平成18年度地震研究所職員研修会が,平成19122日(月)〜24日(水)の3日間わたり開催された.その内容を報告する.

 

1.研修会の概要

今年度の職員研修会は,技術職員の業務報告や技術発表を行なう「技術発表会」(写真1)と,ここ数年実施されていた「所外研修会」に変わり,新たな試みとして所内外から講師を依頼して行なわれた「グループ研修」(写真2,写真3)を組み合わせた3日間の日程で開催された.初日の午後と3日目の午前に行なわれた技術発表会では9名(うち他大学3名)の技術職員による発表があった.また,初日と3日目の最後には海洋研究開発機構の職員および気象庁地震火山部の職員による3題目と地震研究所の助手による計4題目の特別講演が行なわれた.中日に実施されたグループ研修では,本所の教職員が講師となった2項目と外部企業や機関に依頼した講師による3項目の計5項目の研修に対し,参加者は3項目を選択し受講するという形式で行なわれた.この中の「職場で進めるメンタルヘルス」については,本所安全衛生管理室と連携し,研修会参加者のみならず全所員に周知し受講者を募った.

3日間の参加者の内訳は,22日の技術発表会が43名,23日のグループ研修が56名,24日の技術発表会が36名であった.研修会終了時には全日程に参加した技術職員(地震研究所24名,京都大学4名,名古屋大学1名)に対し,所内外の参加者代表として,それぞれ辰巳賢一技術員(京都大学)と松嶋信代技術専門員に大久保所長より修了証書が手渡された(写真5).

   
          写真1 技術発表会                             写真2 所内講師によるグループ研修

   
         写真3 所外講師によるグループ研修                           写真4 懇親会

 
           写真5 修了証書交付


2.技術発表会とグループ研修

技術発表会とグループ研修については「研修会プログラム」(資料1)「グループ研修の項目と概要」(資料2)を参照されたい.グループ研修における参加者の内訳は,「無線LANによる観測とジャイロの使い方」0930〜 20名,1515〜 3名 「海底地震観測」1515〜 7名,「ICT社会における雷リスクと対策」13:00〜 21名,「Webデザイン」15:15〜 18名,「職場で進めるメンタルヘルス」9:30〜 22名,13:00〜 20名であった.また,「無線LANによる観測とジャイロの使い方」は急遽会場を地震研究所の屋外から1号館7階のラウンジに変更された.

 

3.反省

職員研修委員会では,ここ数年行なってきた所外研修の意義を議論し,今回はグループ研修として内容を変更し実施を試みた.研修会後に行なった参加者アンケートによるグループ研修の評価は概ね高かったが,受講選択制による不満や参加者人数の偏りによる不具合,あるいは外部講師の商業性や業務内容との非関連性なども少数ではあるが指摘された.今後グループ研修を行なっていく場合には,事前に参加者の人数調整を行ない,受講者がどのようなテーマでどのような内容を期待しているのかを良く検討したうえで講師を依頼するなどの対策が必要と思われる.

技術発表者の減少問題は恒常的傾向となって久しい.これには種々の原因があると思われるが,最大の問題は,多くの技術職員にとって日々の業務が直接技術発表の材料に結びつかないということであろう.そうした中で,発表者の顔ぶれが偏ってしまう近年の傾向は避けたいものである.今後,この技術発表をどう運営していくかについては,研修委員会のみならず所全体でも議論する必要があると痛感した.

22日の夕刻から行なわれる懇親会(写真4)は,他大学や他機関の参加者および観測所職員が一堂に会し,日々の業務について歓談できる貴重な場である.この好機に所内の教員や事務職員にも多数の参加を呼びかけ,交流を深めてもらえるよう促すべきであった.

 

4.最後に

職員研修会にあたっては,各大学や関連機関等の施設長には所属の職員に地震研究所職員研修会への参加を奨励していただきまして誠に感謝いたします.研修会の開催期間中には所長,事務長をはじめ各センター長,各部門主任,事務部の皆様には様々なご支援とご協力をいただきました.ここに記して感謝いたします.


平成18年度委員
研修運営委員会委員長:塩原 肇 同副委員長:大湊 隆雄 同副委員長(会計担当):渡邊 トキエ
実行委員会委員長:小林 勝 同副委員長:辻 浩
委員:井上 義弘,荻野 泉,八木 健夫