平成29年度地震研究所職員研修会報告 研修運営委員会 平成29年度地震研究所職員研修会を平成30年1月24日(水)〜26日(金)の3日間にわたり開催しましたので,ここに報告いたします. 1.研修会の概要 本研修会は主に「技術発表会」・「所外研修」・「特別講演」の3つから成っており,技術発表を1日目と3日目に,所外研修を2日目に,そして特別講演を3日目に開催しました. <1日目> 開会式に引き続き,技術発表会(口頭発表5件とポスター発表11件)を行いました.その後に,地震火山災害予防賞の表彰式と受賞記念講演を行い,アウトリーチ室が製作した地震観測の広報用動画の紹介を行いました.1日目の終了後には懇親会を催しました. <2日目> つくば駅に集合し,午前中はNTTアクセスサービスシステム研究所の筑波研究開発センタを訪問しました.そこでは,職員の方から最初に研究所の概要をご説明いただき,その後に所内の施設や展示物のご説明を受けながら見学しました.午後は4班に分かれ,まずは産業技術総合研究所の地質標本館と第7事業所(地質系)の実験施設を訪問し,各担当者のご説明を受けながら見学しました.次に産業技術総合研究所の計量標準総合センター物理計測標準研究部門を訪問しました.そこでは,時間標準研究グループで研究開発されている様々な時計装置をご紹介いただきました. <3日目> まず,技術発表(口頭発表5件)と研修報告(口頭発表1件)を行いました.続いて,加藤照之教授(東京大学地震研究所)による特別講演を行いました.最後に,京都大学の長岡愛理さんと地震研究所の上原美貴さんに,それぞれ所内街を代表して修了証書を授与させていただき,研修会を修了しました. 本研修会の事前申込者,つまり所外研修を含む3日間全ての研修に参加をご希望された方々は37名でした.内訳は,所内から22名で,他大学から15名でした.ただし,体調不良により不参加となられた方も数名いらっしゃいました.この他にも,所内外の多くの方々が懇親会に参加され,また特別講演を聴講されるなど,3日間の延べ参加人数は120名以上となりました. 2.アンケートの結果 研修会では更なる改善を目指して毎年参加者にアンケートをお願いしています.今回は28通の回答をいただきました.アンケートにお答えいただいた皆様に感謝申し上げます.集計結果を文末に添付し,ここでは要約してご紹介いたします. 問1では,研修会の内容を項目別に5段階で評価していただきました.全ての項目(「口頭発表」・「ポスター発表」・「所外研修」・「特別講演」・「全体」)で概ね高評価をいただきました.その中でも特に所外研修と特別講演の評判が良かったようです.スムーズな運営にお褒めのお言葉もいただきました.一方で,ポスター会場のスペースの取り方やプログラム全体の組み方などにゆとりがなく,多少,窮屈に思われた方もいらっしゃったようです. 問2では,次回の参加予定をお伺いしました.大多数の方々が次回も参加していただけると回答して下さいました. 問3-4では,ご希望される次回研修会の開催時期や期間をお伺いしました.大多数の方々が,これまでと同様に1月下旬の水-金曜日(3日間)の日程をご希望されました.ここ数年,この時期に開催するのが慣例となっております.地震火山に関わる大半の技術系職員にとって1月は比較的,野外活動の少ない閑散期にあたり,3日間の長期にわたって開催される本研修会にも参加されやすいのだと思います. 問5-6では,ご希望される所外研修の訪問先や所内研修の研修内容をお伺いしました.実に様々な訪問先と研修内容とが示されました.興味深いのは,過去の訪問先や研修内容をアンケート用紙に示しているにも拘らず,それらを再び希望されるケースがあることです.おそらく,ここ数年の間に新規でご参加いただいた方々がご希望されているのだろうと推測されます.過去の所外研修・所内研修が好評であった証拠でもあると考えています. 問7では,ご希望される特別講演の講師や内容についてお伺いしました.地震や火山に関する観測研究の歴史と最先端の研究に関心が集まったようです. 問8では,その他のご意見等をお伺いしました.感謝のお言葉や有益なご提案をいただきました.これらのご意見を参考に,更に充実した研修会を目指していきたいと考えております. 3.研修を終えて 今回の研修会への参加者内訳を見ると,所外からの参加者がここ数年に比べ減少しました.これは,他の関連する会,例えば第2回東京大学総合技術発表会(東京大学,平成30年2月15〜16日)や平成29年度九州地区総合技術研究会(沖縄工業高等専門学校,平成30年3月6〜8日),へ流れたためかもしれません.もっと積極的な参加勧誘の方法を模索するべきかと考えます.しかしながら,毎回新規の参加者が何名かいらっしゃいます.各機関で本研修会の存在を他の技術系職員に伝聞されていることが想像でき,毎年研修会を開催する側の大きな励みになっています. 事前参加申込者数が減ったとはいえ,発表申込件数はさほど減少しませんでした.できるだけ多くの方に口頭発表していただきたいという考えから,今回のプログラムが少々窮屈になってしまった感は否めません.ポスター発表件数とのバランスや休憩時間の確保等を考慮し,最適なプログラムを模索していく必要があると痛感しています.一方で,今回の研修会では,地震研のアウトリーチ室より広報用動画の紹介や「ミニチュア弾性波伝播実験装置」の展示をしていただきました.今後も新しい形の発表や展示等の試みに,柔軟に対応・企画してきたいと考えております. 地震や火山に関わる大半の技術系職員にとって,1月は比較的に閑散期であると言えましょう.このことが大きな理由となり,10年以上も前から本研修会を1月に開催しています.しかしながら,1月はインフルエンザの流行期でもあり,また寒波が多くやってくる時期です.これでは屋外での研修や移動の際に大きな負荷が掛かってしまいます.運の悪いことに,今回の開催期間は平年気温を大幅に下回る寒さとなりました.もし今後も1月開催を続けるのであれば,開催側としてどのような寒さ対策を行っていくか,まだまだ改善の余地があると思われます. 最後に,本研修会への職員参加につきましてご賛同及び格別のご配慮をいただきました各施設長の皆様,開催期間中の業務につきましてご配慮いただいた所内教員の皆様,特別講演の依頼を快くお引き受けいただいた加藤照之教授,事務手続きや受付・修了証の発行等でご協力いただいた事務部・事務支援室の皆様,所外研修でご対応いただいた各施設ご担当者の皆様に,この場をお借りしてお礼申し上げます.また,今回ご参加の皆様につきましては,次回以降も積極的にご参加・ご発表をしていただきたいと願います.地震や火山に関わる全国の技術系職員が普段の業務活動で得られた知識や経験を共有する場として本研修会が活用されれば幸いです. 4.参考資料
|
写真1.技術発表(口頭) |
写真2.技術発表(ポスター) |
|
写真3.地震火山災害予防賞表彰式 |
写真4.集合写真(地震研究所) |
|
写真5.所外研修(NTTアクセスサービスシステム研) |
写真6.所外研修(産総研 地質標本館) |
|
写真7.特別講演(加藤照之教授) |
写真8.修了証授与式 |
※ 平成29年度 研修運営委員 ※ 加藤 愛太郎(運営委員長)・上嶋 誠(運営副委員長)・竹内 昭洋(実行委員長)・外西 奈津美(実行副委員長)・安藤 美和子・池澤 賢志・諏訪 祥士・田中 伸一 |