Introduction
《目的》
半導体レーザー(LD)励起Nd:YAGレーザーを用いて地殻ひずみ計用光源を開発する
このひずみ計はレーザー光を非対称マイケルソン干渉計に入射させてその干渉信号を測定してひずみを観測する装置であるこのひずみ観測は、地震波の数Hzからプレートの沈み込みの数年という周期まで長期に渡る観測が必要となる。そこでひずみ計の長さの基準となる光源には長期的に周波数が安定という条件が必要となる。
代表的な現象を測定するのに必要な安定度とその周波数領域を挙げてみると以下の通りである
現象 | 周波数帯 | ひずみ |
地震観測 | 10mHz〜100Hz | 10^(-12) |
地球自由振動 | 0.3mHz〜10mHz | 10^(-12) |
地殻変動 | 〜10mHz | 10^(-10) |
このひずみは定常的な地面の相対的な変化の大きさを表している。もし測定装置の安定度がこの値よりも悪い場合には雑音の影響が大きくなって精度の良い測定が行なえないということになる。
現在あるひずみ計は「石英管伸縮計」「体積ひずみ計」というものがある。
- 石英管伸縮計:石英の長さを基準に地殻の変動を測定
長さに制限
速い振動が測定できない
基準である石英管の温度変化等の影響が未知
- 体積ひずみ計:地面に掘った穴に液体の入ったタンクを入れその液面変化で測定
設置方法や地下水などのlocalな雑音の影響を受ける
といった欠点がある。
上記の欠点を補ったレーザーの波長を基準とした干渉計型ひずみ計の登場
過去に行われたレーザー干渉計型ひずみ計の光源
- He-Neレーザー(2mode法で安定化)
- システムは比較的簡単
- 長期的な安定度が不足
- ヨウ素安定化He-Neレーザー
- 長期的な安定度はある
- レーザー光自体に変調が載るため光源として用いるにはシステムが複雑
ヨウ素安定化Nd:YAGレーザーを開発
