プログラムの構想と目的

地震波測定、地球電磁気学的測定、重力測定、火山ガス測定などにより、固体地球内部の物理・化学現象の理解の進展に伴って、火山噴火・地震現象の解明が進 み、20世紀後半から現在に至るまで人類のこれらの現象に関する理解は飛躍的に進展してきた。物質透過力の卓越した宇宙線ミュオン(ミュー粒子)の物質密 度による透過度の違いを利用した地球のレントゲン写真(ミュオンラジオグラフィー)を撮るため、従来の地震学的手法に比べて非常に高い空間分解能でのイ メージングが可能である。具体的には以下の2つの研究課題を達成する。1)火山の3次 元イメージング法を開発し、新しい火山噴火予知研究への道を開く。2)宇宙線ミュオンによる地下の断層すべり面や断層破砕帯のイメージング法の開発を行 い、効率的に活断層等の調査が出来る地震、地すべり被害の軽減に向けた技術を創出する。分野間での学際的交流を行うことにより、新しい固体地球の観測技術 を生み出す研究開発を進める。