ウェブサイト立ち上げ: 2011年10月23日
最終更新日: 2011年11月10日
2011年10月23日19時41分(現地時刻では13時41分)ごろ,トルコ東部でM7.2(USGSによる)の地震が発生しました.震源が20km(USGSによる)と浅く,近くに人口の多い都市があるため,大きな被害が予想されます.
また,11月10日午前4時23分(現地時刻では9日21時23分)には,M5.6(USGSによる)の余震が発生し,さらに被害が出ています.
この地震に関する情報を,本ウェブサイトにて随時更新してまいります.
基本的な情報(USGSによる暫定値)
- 発生日時: 2011年10月23日13:41(現地時刻,日本時刻では同日18:41,世界標準時では午前10:41)
- マグニチュード: 7.2
- 場所: 38.628N, 43.486E
- 深さ: 約20km
- 近隣の都市: Van(17km),Hakkari(117km)など
更新情報
- 11月10日の余震を冒頭に追加(11月10日)
- リンクを追加(10月31日)
- J-arrayで観測された波形を掲載(10月25日)
- リンクを作成(10月24日)
- 背景のテクトニクスを掲載(10月23日)
背景のテクトニクス
トルコは大局的には,ユーラシアプレートとアラビアプレートが衝突するところに位置しており,地震活動の高い国である.より詳細には,ユーラシアプレートのうち黒海の南部にある北アナトリア断層によって,さらにマイクロプレートに分けることができる.北アナトリア断層・東アナトリア断層・地中海で区切られるこのマイクロプレートをアナトリアプレートと呼び,トルコの大部分はこのプレートにある.
USGSの発表による震央の位置から考えれば,今回地震が起きたのは,アナトリアプレート内ではなく,その東側のユーラシアプレートとアラビアプレートとの衝突帯域である.トルコでの最近の被害地震の多くは,北アナトリア断層(下図中のNAF)で起きているが,今回の地震はこの断層で起きたものではない.

トルコ東部のテクトニクス.星は今回の地震の震央.(Angus et al., 2006に加筆.)
過去には1976年に,このすぐ近くでM7.3の地震が起きており,4,000名以上の死者が出ている.(下図参照:Pinar et al., 2007に加筆.)

トルコ東部での過去の地震.星は今回の地震の震央.(Pinar et al., 2007に加筆.)
(広報アウトリーチ室 大木・纐纈)
(情報センター)
- USGS: Magnitude 7.2 – EASTERN TURKEY
- 建築研究所 国際地震工学センター:2011/10/23 Eastern Turkey Earthquake
- ITU:Institute of Earthquake Engineering and Disaster Management Istanbul Technical University
- 地震動のデータ:Strong ground Motion database of Turkey
- 地震動のデータ:METU:Earthquake Engineering Research Center
- 強震観測網
- 強震観測計画全体(トルコ語のみ):http://www.deprem.gov.tr
- 処理された強震記録:http://www.eerc.metu.edu.tr/sites/default/files/Report_Van_EQ_2011.pdf
- 総合報告
- 総合報告(トルコ語のみ)