Love波

地震波は大きく分けると、地球内部を伝わる実体波、地表面に沿ってのみ伝わる表面波に分類されます。 表面波は体積変化を伴うRayleigh波と、剪断変形しながら水平方向に振動するLove波に分類されます。ここではLove波について説明します。

まずはLove波が伝わる様子を見てみましょう(図1)。○は振動を知るために、地中に目印をつけていると思って下さい。図を見ると水平方向に変形している様子が分かりますね。 図にカーソルを合わせてキーボードのsを押してみて下さい。Love波が右方向に伝播し始めます。手前に動いている○を赤に、奥に動いている○を水色で表示しています。波は右端に来ると、左端に再び現れグルグルと繰り返し波が伝わります(周期境界条件)。

Love波は堅い層の上に柔らかい層がのっかいている時に生じます。例えば堅いマントルの上に柔らかい地殻がのっている場合が当てはまります。この図では、縦軸方向(深さ方向)には○が10km間隔で置かれており、横軸方向(水平方向)には6.25kmごとに置かれています。深さ方向に○4つめが地殻とマントルの境界(モホ面)にそうとうします。波が地殻の中を効率的に水平に伝わっている様子が分かると思います。

分散の様子

もう少し詳しく波と伝わる様子を見てみましょう。rを押すと画面をリセットします。Love波が右端付近に来たときに一時停止(sを再び押します)してみてください。

波と伝わり初めに比べて波の形が崩れている様子が分かります。赤色の部分は横方向にも縦方向にも伸びていてます。一方緑色の部分は表面付近に固まっています。緑色の方が到達が遅くなっているようすが分かると思います。波の波長によって伝わる速さが変わるため波の形がくずれているのです。この現象を分散と言います。この場合波長の長い波は速く伝わり、短い波は遅く伝わります。波長な長い波は堅い層の(深い層:マントル)の影響を強く受けるためです。

図1