Rayleigh波

地震波は大きく分けると、地球内部を伝わる実体波、地表面に沿ってのみ伝わる表面波に分類されます。 表面波は体積変化を伴うRayleigh波と、水平方向に振動するLove波に分類されます。ここではRayleigh波について説明します。

まずはRayleigh波が伝わる様子を見てみましょう(図1)。○は振動を知るために、地中に目印をつけていると思って下さい。 図を見ると地面がでっぱっていますね。 図にカーソルを合わせてキーボードのsを押してみて下さい。Rayleigh波が右方向に伝播し始めます。○に注目するとグルグルと回っている様子が分かります。

もう少し詳しく地表付近の動きに注目してみましょう。丸印をみると反時計回りにぐるぐると回っている様子が分かります。ちょうど赤色から青色に変わる深さ(1/3位の深さで)、回転する向きが変わっている様子が分かります。

地表中央付近にある白丸に注目してみましょう。鉛直成分を緑、水平成分をオレンジでそれぞれプロットしました(図下)。このグラフが示すように、地震計はある一点での地面の動きを捉えます。図右下には、白丸の動きの軌跡(粒子軌跡)をプロットしました。反時計回りにグルグルと回っている様子がわかると思います。

もう少し詳しい(専門的な)説明

キーボードの1を押してみてください。体積歪の絶対値を赤で、ずり歪を青で表示します。地表付近では自由境界表面の影響で、体積歪(赤色)が大きくなります。その両脇にずり歪が大きい領域があります。

キーボードの2を押してみてください。σzzの絶対値を赤で、σxzを青で表示します。地表付近では自由境界表面を満たすためともにゼロになり、○の色は黒いことが見て取れます。

以下大雑把な説明です。まず無限媒質をSv波が右方向に伝播する状況を考えます。そこで真ん中でスパっときり半無限媒質にします。そうすると自由境界表面で応力ゼロの境界条件を満たすために、出っ張っている部分が膨らみます(体積ひずみが大きい部分)。その分大きく変形してしまい、S波より伝播速度が遅くなります。

図1