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公開講義 開催日時と場所
7月30日(水) 15:00〜17:00 (14:00 開場)
東京大学本郷キャンパス大講堂(安田講堂

※ 事前申し込みはございません。直接会場においでください。
 



藤井敏嗣 教授 : 『歴史を封じ込めた火山噴火』
歴史を封じ込めた火山噴火というと,多くの人は短時間のうちに町が火山噴出 物で埋め立てられ18世紀に発掘が行われるまで歴史の舞台から姿を消したポンペイの悲劇のことを思い出すことでしょう.まさに,今日のテーマはこの悲劇 をもたらしたヴェスビオ火山が中心です. ヴェスビオ火山はすそ野の直径が15kmで浅間山と同じくらいの火山ですが, 何度も激しい爆発的噴火をして,周辺に大変な被害をもたらしてきました.東京大学の調査団が中心となって発掘をしている「初代ローマ皇帝アウグストゥスの館」と呼ばれる北麓の遺跡も噴火で埋め立てられた建造物です.公開講義では,この噴火が いつのものだったのか,どのような噴火だったのか,この建物がどのようにして埋め立てられ歴史の舞台から消えていったのかをお話しします.また,日本にもあった,これよりも規模の大きな噴火のことについてもお話しする予定です.

佐竹健治 教授 : 『発掘された巨大地震と津波の痕跡』
将来の地震の発生を予測して,被害を軽減するためには,まず過去に発生した 地震や津波について調べることが必要です.巨大地震の繰り返し間隔は数十年 〜数百年と,地震観測の歴史に比べて長いことから,過去に発生した地震を調べるためには器械観測以外の方法も用いる必要があります.日本周辺で過去に 発生した海溝型地震については,主に古文書などの歴史記録に基づいて調べら れてきました.最近,沿岸の地層から過去の地震や津波の痕跡を調べる手法が開発され,世界中の地震が調べられています.その結果,歴史記録には残されていないような巨大地震や津波が過去に発生したことがわかってきました. 2004年スマトラ島沖地震は,このような巨大地震が現代に発生した例です.巨大地震の発生履歴がわかれば,それに基づいて将来の発生確率を計算すること ができます.例えば今後30年間では,宮城沖地震は99%とされています.

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