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                  | 浅間山の火山活動について | 作成日: 2009.02.01
 
 最終更新日:
 2009.05.04
 
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                  | 東京大学 地震研究所 |  
 浅間山の噴火警戒レベルが3の「入山規制」に引き上げられ(2009年2月1日13時 気象庁発表)、2月2日午前1時51分頃に小規模な噴火が確認されました。さらに2月9日午前7時46分頃から断続的に微小噴火が継続しています。
 
 このサイトでは、浅間山の火山活動に関する情報を、地震研究所の火山噴火予知研究推進センター、浅間火山観測所・小諸火山化学研究施設からの速報を交えて報告いたします。(取りまとめ:アウトリーチ推進室,監修:藤井敏嗣教授,武尾実教授,中田節也教授)
 
 【更新情報】
 
 【2月12日14時頃の上空からの浅間山】
 
 中田 節也 教授協力: 東京新聞
 2月12日午前2時過ぎの浅間山。(クリックでアルバムへ)
  【2月12日18時6分頃のごく小さな噴火】
 
 小山悦郎 技術職員 2月12日午後6時6分頃のごく小規模な噴火の写真。火映もわずかに見られる。(クリックで拡大)
  【2月2日噴火の降灰分布と総噴出量の見積もり】
 
 前野深 助教 2月2日噴火の降灰について、総噴出量はおおよそ2万トンであると見積もられました。(クリックで詳細資料へ。PDF)
  【2月9日午前7時46分頃からの断続的な微小噴火】
 
 小山悦郎 技術職員 2月9日午前7時46分、ごく小規模な噴火が再度発生しました。下の写真は2月9日午前8時26分の浅間山。(クリックで拡大)
  【地震活動と地殻変動の時間推移】
 
 武尾実 教授青木陽介 助教
 左図: 2004年1月1日から2009年2月1日までの浅間山地震活動右図: 1996年から2009年の地震活動とGPS基線長変化
 (クリックでそれぞれの解説ページへ)
 
 
     【2009年2月2日ヘリコプターによる観測の写真】
 
 小山悦郎 技術職員 気象庁ヘリによる観測時の写真集。(クリックでリンクへ)
 
   【2009年2月2日噴火の火山灰写真】
 
 鈴木由希 研究員 採取場所: 軽井沢町千ヶ滝温泉入口信号(採集者:小山悦郎氏)火山灰はほとんどが古い溶岩の破片粒子。ごくわずかにマグマ物質を確認。(クリックでそれぞれPDF資料へ)
 
    【2009年2月2日噴火における山体近傍地域での降灰について】
 
 地震研究所 前野深 助教産業技術総合研究所・気象庁
 2月2日に発生した小規模噴火に伴った降灰の調査結果について。(クリックでPDF資料へ)気象庁発表(2月4日17時40分)の関連資料(PDF)。
 
 
  【地震・空振波形】
 
 大湊隆雄 准教授 
 噴火に伴った現象と地震・空振の波形。(クリックでPDF資料へ)
 
  【MTSAT衛星で捉えた噴煙】
 
 金子隆之 助教
 MTSAT(運輸多目的衛星)の赤外画像でとらえられた噴煙。(クリックでPDF資料へ)
  【地殻変動データ】
 
 青木陽介 助教 
 浅間山周辺のGPS観測点マップ
            
            ●は地震研、■は国土地理院の観測点KAHG:火口東縁, AVOG:地震研浅間観測所
   
 浅間山では火山活動に伴って、ほぼ南北方向に膨張するような地殻変動が観測される。
 下図はKVCOとTASHの基線長さをプロットしたもの。2008年9月あたりから基線が長くなっている(山体の膨張)が観測されている。
 
  【現地(東大地震研浅間観測所)からの写真と情報】
 
 小山悦郎 技術職員 
              噴火開始と思われる時刻: 2月2日 午前1時51分
              噴火の鳴動が消えた時刻: 2月2日 午前2時11分30秒
             
              午前2時50分 鳴動が消えたあとの写真(火映が見られる)
              
千ヶ滝温泉入口での降灰状況(左:午前3時33分, 右:午前3時40分)
                
降灰のサンプル写真  
            
 【準リアルタイム地震波形モニタ】
 
 鶴岡弘 助教 クリックで波形モニタのページへ。
 
  
 
 観測点配置図。(クリックで拡大)
 
  
 【浅間山リアルタイム映像】
 
 地震研浅間火山観測所に設置した監視カメラからのリアルタイム映像。(クリックでリンクへ)
  (2月1日14時20分頃の浅間山) 
 【2月2日午前1時51分頃の噴火について】
 
              2月2日午前1時51分に小規模な噴火が発生
              関東南部でも降灰を確認
              噴火に伴う噴煙の高さは一時2000mに達する
              火口の北側約1kmまで大きな噴石が飛散
             
 【2009年2月1日までの状況】
  噴火警戒レベル引き上げの経緯 (気象庁)
 2月1日午前7時あたりから山頂直下が震源と見られる周期の短い地震が増加し、また、2時頃から、マグマの上昇を示すと考えられるわずかな山体のふくらみが観測されたため。 2月1日23時30分の浅間山 (クリックで拡大)
 
 
  2月1日23時現在、火映は見られていない。
 (火映: 火口のマグマや赤熱した岩石から出る赤い光が噴煙などに反射して、火口の上が赤く照らし出される現象)
 
 【過去の浅間山火山活動へのリンク】
 
 
            
             【リンク】
 
 
 【用語解説】
 
 噴火警戒レベル
 平成19年12月1日より導入された噴火予報・噴火警報。火山性地震と火山性微動
 【レベル5(避難)】 危険な居住地域からの避難等が必要。
 【レベル4(避難準備)】 警戒が必要な居住地域での避難の準備、災害時要援護者の避難等が必要。
 【レベル3(入山規制)】 登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制等。状況に応じて災害時要援護者の避難準備等。
 【レベル2(火口周辺規制)】 火口周辺への立入規制等。
 【レベル1(平常)】 火口内等への立入規制。
 (注:避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なりますのでご注意ください。)
 火山で起こる地震や微動には様々な種類があり、その違いは地下で進行している活動の違いを反映していると期待される。
この分類の仕方にはいろいろあるが、大きく分けると下記のようになる。
            
              火山性地震:火山の地下でのマグマの移動などによる火山活動によって発生する地殻の微小破壊による地震。
              火山性微動:地震計にとられる火山特有の振動。波形や継続時間が長い(数日間に及ぶ場合もある)から、火山性地震とは区別される。 噴火に先行することも多く、噴火予知の立場からは重要。
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