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移動体搭載型重力計システムの高度化と
実海域における実証試験

東京大学地震研究所

四方を海に囲まれた我が国は、世界第6位の広さを誇る排他的経済水域を有する海洋国家であり、これらの海域には、海底熱水鉱床やコバルトリッチクラスト等の多様な海洋鉱物資源が存在しています。新たな海洋立国の実現を目指し総合的な海洋政策を推進するため、海洋基本法(平成19 年7月施行)に基づき策定された海洋基本計画(平成20 年3 月閣議決定)においては、これらの海洋資源に関し、海底熱水鉱床について、今後10 年程度を目途に商業化を目指すとともに、コバルトリッチクラストについて、今後、調査・開発のあり方を検討することとされています。

これらの海洋鉱物資源について商業化を図るためには、その資源量を正確に把握し、経済性評価を行うことが必要不可欠です。しかし、海洋鉱物資源の資源量を広域かつ効率的に探査するために必要な技術は必ずしも十分に確立されているとは言えず、さらなる技術開発が求められていました。

東京大学地震研究所では、計測器を海中無人探査機に搭載して、重力加速度と重力鉛直偏差を同時に測定し、得られたデータを適切に処理、解析することにより、0.5mgal 程度の重力異常を判別して厚さ10m、周辺の岩石との密度差1g/cm3 の鉱床において想定される重力異常を検出する海洋鉱物資源探査技術の開発・実証試験を実施しています。

開発した計測器topics

開発した海中重力計


開発完了後に、動揺試験装置を用いた性能試験を行っている。
動揺を慣性航法センサが検知し、ジンバル駆動機構により
常に重力計が鉛直を保つように高精度に制御されている。

開発した重力偏差計


独自開発した重力計センサー2台を43cmの垂直距離を隔てて、
円筒状の真空容器に格納し、重力偏差計として機能させる。。

東京大学地震研究所

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