スロー地震学

スロー地震学 - 低速変形から高速すべりまでの地震現象の統一的理解に向けて

領域概要
総括班(課題番号 JP16H06472)
国際班(課題番号 JP16K21728)

  1. 総括・国際班
  2. A01
  3. A02
  4. B01
  5. B02
  6. C01
  7. C02

活動内容

総括班では、A01からC02の各班の研究活動の調和と流れが機能するよう、領域全体の活動を調整し、各計画研究および公募研究の進捗状態を点検する。また各研究項目の研究結果を統合し、「低速変形から高速すべりまでの総合的理解」という本領域の目的達成を強くリードすることを目的とする。
具体的には、

  • ・総括班、国際活動支援班、各計画研究の参加者との連絡調整。他の関連プロジェクトの研究者、および海外のスロー地震研究者に対する連絡。適宜総括班会議の開催。ウェブページ、メーリングリストなどの整備、管理。
  • ・国内研究集会の企画、開催。領域全体および各計画研究の状況を把握するとともに、領域内の議論や共同研究を活発化させる。領域における研究成果や研究集会等の活動の紹介を中心とするニュースレターの公開。総括班主導でウェブ等を用いた広報活動を展開するとともに、学会や所属機関を通じた広報活動、アウトリーチを活発に展開し、広く内外にスロー地震についての情報を普及させる。
  • ・公募研究の募集と審査に関わり、採択された公募研究が既存の研究と調和的に成果を挙げられるように連絡調整を行う。
  • ・国際集会開催後に学術誌の特集号を企画し編集作業を主導する。領域参加者に積極的な論文投稿を呼びかける。
  • ・日本地球惑星科学連合大会、日本地震学会、日本地質学会、日本物理学会、米国地球物理学会などの学会におけるセッション、シンポジウムの計画を立てる。これらのセッション、シンポジウムを軸として、各学会においても本領域に関する議論を活発化させる。

組織図

国際活動支援

スロー地震は2000 年頃からまず日本で、それから世界各地で発見された現象である。発見から理解まで、我が国の研究者がリードしているものの、国際的な競争も激しい。これまで類似の現象が報告されている国・地域はカナダ、米国、メキシコ、コスタリカ、エクアドル、ペルー、チリ、ニュージーランド、台湾と環太平洋のほとんどを含み、今後さらに増える可能性が高い。近年世界各地に発生した津波を伴う巨大地震の影響もあり、巨大地震の発生と関連する新現象、スロー地震は、極めて高い注目を集めている。注目度の高い論文が多数公表され、学会等でも多くの講演を集めている。

国際活動の前提として、国内で世界をリードできるような総合的な研究が行われていなければならない。スロー地震の研究対象は固体地球物理学、地質学、物理学分野に広がる。総合的研究のために、まず国内の研究者間で共同研究を促進し、情報流通を円滑にする。その上で海外の研究者もカウンターパートを通じて、本研究領域に取り込む。世界各地の断片的な現象、観察事実を、日本における総合的理解と比較することで、世界のスロー地震研究のハブ的な役割を果たす。本国際活動支援班の参加者は、これまでに研究者交流や学会での活動を通じて、幅広い国際人脈を築いてきた。本新学術領域についてもすでに多数の海外研究者に協力を呼び掛けている。これらの人脈を生かし、さらに世界各地で展開されている関連プロジェクトとの連携を取りつつ、国際的にスロー地震研究を繰り広げることで、スロー地震から巨大地震までも含む、国際的地震研究のリーダーシップをとることを目指す。

具体的な活動として、海外研究者の招聘、若手研究者の海外派遣、国際研究集会の開催、国際学術誌における特集号の刊行(国際集会後に企画)、関連国際プロジェクトとの連携、国際活動に関する広報活動を行うことを予定している。

世界で起きているスロー地震

メンバー

研究代表者
  • 小原 一成東京大学 地震研究所
研究分担者
  • 廣瀬 仁神戸大学 都市安全研究センター
  • 望月 公廣東京大学 地震研究所
  • 氏家 恒太郎筑波大学 生命環境系
  • 井出 哲東京大学 大学院理学系研究科
  • 波多野 恭弘大阪大学 理学研究科
研究協力者
  • 宮崎 真一京都大学 大学院理学研究科
  • 田中 愛幸東京大学 大学院理学系研究科
  • 鶴岡 弘東京大学 地震研究所
  • 竹尾 明子東京大学 地震研究所
  • 伊藤 喜宏京都大学 防災研究所
  • 小平 秀一海洋研究開発機構 地震津波海域観測研究開発センター
  • 日野 亮太東北大学 大学院理学研究科
  • 佐竹 健治東京大学 地震研究所
  • 木村 学海洋研究開発機構 海域地震火山部門