気軽に私たちの研究室を訪問して下さい。他大からも多くの学生を受け入れています。こちらでは研究テーマは沢山用意していますし、皆さんの興味にあわせられるかもしれません。会って話してみて、自分に合うか考えるのが一番でしょう。PDでの研究先を探している方も歓迎です。
武井と平賀は、バックグランドが全く異なり、かたや地球物理、かたや地質学ですが、二人とも学問の専門分野をきちんと定義できるような研究スタイルをとっていません。これまでも、地震学、鉱物・岩石物理学、構造地質学、地球化学、鉱物学、岩石学、界面化学、材料科学に関わる研究を行ってきており、現在も、従来の学問フィールドにとらわれない研究を行っています。地球は多分いや間違いなく、このような学問フィールドの存在を知らないでしょう。その理由で、必要な勉強も多岐に渡ります。また、必要な基礎学問を身につけることも避けては通れません。
面白いもので、武井と平賀は、バックグランドは異なりますが、興味の対象としていることはとても近いです。二人の基本となるのは、現象を原子レベルすらまでのミクロな素過程に分離し、それらの積分値として地球内部現象をとらえる研究手法を用いています。
武井は、物理モデルを作ること、またそれを基にしたシミュレーション、そして、その検証に、アナログ物質を用いた実験・物性測定を行っています。アナログ物質を用いることで、従来の高温高圧下では得るのが困難な実験を容易に行えるというメリットがあります。これらの結果を基に、地震波速度の解析から、マントル中でのメルトの量、メルトの分布様式を決定することを可能にする解析法を世界で初めて開発しました。いまは、それをベースに、メルトの移動モデリングなどを主に行っています。
平賀は、武井さんのアナログ物質に対して、実際の岩石や実験的に岩石を合成し、その構造や化学組成を、特にナノスケールで解析することを得意としています。特に、鉱物の粒界・界面構造や化学組成を世界で初めて明らかにしました。いまは、その知見をベースに、コアから地殻まで、岩石中の粒間に関わる多様な現象の実験的研究を行っています。詳しくは、最近の研究内容を参照してください。
本研究グループでは、コンピュータシミュレーション、アナログ変形実験、高温クリープ実験、熱処理、化学合成、化学分析、種々の電子顕微鏡法、X線回折法を用いた解析、種々の物性測定(例えば、弾性波速度測定)を行っています。
気軽に。
アメリカでは、学生は、春から夏にかけて興味のある大学・研究室めぐりをします。平気で10ヶ所は廻るでしょう。それは、将来を左右する大事(おおごと)ですから、当たり前とも言えます。教授の最大の仕事は、優秀な学生をリクルートすること、といっても過言ではありません。僕の前のボスは、訪問する学生の為に、飛行場までいつも迎えに行ってました。そこまでしても、学生は10人に1人しか来ないわけです。なので、こっちとしても、訪ねてきて、最終的に選ばれなくても、当たり前のように感じるので、気兼ねなく。学生さんには、大学名や指導者の肩書きにとらわれず、自ら多くの研究室を訪ね、その目で確かめ、将来の指導者を決めることをお勧めします。
地震研内では、地球物理学的観測が非常に活発で、その観測結果を物質科学的に説明したいという大きな期待があります。そのことから、電磁気学的な研究を行っている研究室、地震波を使った地球内部構造の解明を行っている研究グループとの連携が行われています。研究手法が、地震研内で限界がある場合、他大・研究所にお世話になることもあると思います。マントルレオロジーでは大御所のアメリカ・ミネソタ大のKohlstedt Labとは、学生交換などを通して共同研究をしており、海外での武者修行のチャンスもあります。また、材料科学の知識・技術を積極的に導入するために、物質・材料研究機構(NIMS)との共同研究の提携を結んでいます。研究の半分をそちらにお世話になっている学生すらいます。また、他の研究室の学生の受け入れも積極的に行っており、本研究室でサンプルを合成・実験をし、自分の研究室に持って帰って分析を行う人もいます。
むしろ、様々なバックグラウンド(目)を持った人の集まりになることを期待しています。これまで、地震学、固体物理、岩石学、構造地質学、地球化学からの学生を受け入れてきました。他にも、例えば、材料科学からの学生も歓迎します。我々の研究手法、基礎学問の半分は、材料科学からのものです。地震研2号館4Fの423号室(平賀)を気軽に訪問してください。
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