研究テーマ

各年度の研究紹介パンフレットはこちらになります.

過去の研究テーマ 2014-2019

はじめに

火山の噴火機構や,それに伴う波動現象について,研究をしています.火山噴火は,基本的には熱流体力学現象と捉えることができますが,マグマには流体と固体の間を遷移する性質があります.「固体の流動」は,マントル対流など固体地球科学の重要課題のひとつですが,火山では,「流体の破壊」が問題となります.その実体について,理論,実験をもとに研究を行って来ました.また,活動的な火山では,多様な振動現象が地震・地殻変動や空振(音波)として観測されます.私たちは,日常生活において,音に含まれる様々な情報を聞きとっていますが,火山の音に対するヒヤリング能力はまだ高くありません.フィールドで火山の音を観測しつつ,モデル実験を行い,火山の音の意味を理解しようと試みています.


火山噴火模擬実験と圧力変動の理解

火山の噴火は,マグマに融けていたガスが発泡し,膨張することによって駆動されます.噴火に至るメカニズムの一つとして,地下で異なる温度や組成をもったマグマが混合することが考えられています.このプロセスや,それに伴う諸現象の観測について理解を深め,また,広く伝える道具として,ペットボトルを用いた火山噴火模擬実験を行っています.この実験では,クエン酸を含む水飴と重曹を含む水飴を混合し,化学反応によって発泡を誘発します.

下の動画は,次世代火山研究者育成プログラムの一環として九州大学で開催した実験講義での実験結果です.深いマグマだまりと浅いマグマだまりそれぞれの圧力変化(緑と水色の線)や,地上での音波(赤色の線)を画像とともに計測しました.圧力変化は,地殻変動の観測に,音波は空振観測に対応します.実際の火山では見ることのできないマグマだまりや火道の状態が観察でき,想像が膨らみます.簡単な実験でも,条件を変えることで,いろいろなタイプの噴火や変動が見られ,まだまだ完全に理解や制御ができていません.





マグマ破砕や空振発生のメカニズムを理解するための流体破壊実験

マグマは,岩石が融けたものですが,液体であると同時に固体的な性質も持っています.そのため,急激な力がかかると,ガラスのように粉々に割れます.ガラスの爆発はとても危険ですね.マグマがガラスのようにふるまうと,火山の噴火も,とても危険で激しいものになると考えられます.多くの場合,マグマは,液体と固体の中間的な状態にあり,そのような中間的な物質がどのように破壊し,どのような物性が現象を支配しているのか,まだよくわかっていません.私たちのグループでは,マグマの複雑な物性の様々な側面に注目し,それを模擬する流体を用いて,変形や破壊の実験を行っています.左の動画は,粘性と弾性をあわせもつ,柔らかいゼリーのような物質に泡を注入したときの様子を観察する実験です.光弾性という性質を利用して,弾性的な変形を可視化しています.マグマにそのまま応用できるものではありませんが,このような実験から,現象の物理を正しく理解しながら,火山のモデルの高度化を目指しています.(Sanchez)


極小空振アレイを用いた機動的な噴火観測

空振は,人の耳に聞こえない低周波の音波です.時には体に感じたり,窓ガラスを壊したりするような強いものが発生しますが,多くは,センサーを使って計測したデータを見ても,波形や始まりがよくわからないものです.一方で,空振がいつ.どこで,どのように発生したかを知ることは,噴火の発生や推移を有効に把握することができます.

複数のセンサーを並べて音波を計測する,「アレイ」という観測・解析手法によって,音源の方向を推定することができます.従来の空振アレイは,100m程度の間隔でセンサーを並べていたため,設置や維持がとても大変でした.私たちは,最新のセンサーを使い,10mの間隔でも十分な精度で,音源方向が決められることを示しました.さらに,ほんの少しでも立体的にセンサーを配置することで,音源の高さ方向の推定精度も改善できることが分かりました.左の図は,イタリアのストロンボリ火山で極小空振アレイの観測を試みた例です.この他,桜島や霧島の火山観測,富士山の雪崩観測にも,この手法を応用しています.(山河・池田)






市原研究室

〒113-0032
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東京大学弥生キャンパス
地震研究所2号館

教員室 503号室
院生室 501, 504号室


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