スロー地震学

スロー地震学 - 低速変形から高速すべりまでの地震現象の統一的理解に向けて

集会等トピックス2020年

  1. 2022年
  2. 2021年
  3. 2020年
  4. 2019年
  5. 2018年
  6. 2017年
  7. 2016年
  8. 新任者紹介
  9. 若手海外報告

2020/12/07-11
AGU Fall Meeting 2020でスロー地震学関連セッションが開催されました。

学会名 AGU Fall Meeting 2020 (公式WEB
日時 2020年12月7-11日
Important
Dates
2020年6月22日:アブストラクト投稿開始
2020年7月29日 :アブストラクト投稿締切
会場 Mostly virtual
詳細 スロー地震学関連セッション:
(The Role of Fluids in Aseismic and Seismic Slip on Faults
コンビーナー:矢部優、 Luca Dal Zilio、Alexandra A Hutchison、Jorge Jara

2020/11/17
加藤愛太郎さんのレビュー論文「The generation of large earthquakes」がNature Reviews Earth & Environment誌に掲載されました。

      オンラインアクセス

2020/09/16-17
Slow Earthquakes WS 2020 Virtualを開催しました。

今回は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、領域関係者によるオンライン開催となります。
日時 2020年9月16日(水)-17日(木)
会場 オンライン
詳細 プログラム


2020/08/27, 31
スロー地震学若手の会2020夏プログラムを開催しました。

日時 2020年8月27(木)、31日(月)15:00-18:00
詳細
8月27日(木)
W01-01
高橋秀暢 (東北大)
Activities of low frequency tremors in Sanriku-Oki before the 2011 Tohoku-Oki earthquake
W01-02
及川元己 (東工大)
低周波地震活動と2011年東北地震との関連
W01-03
馬場慧(東大地震研)
Shallow very low frequency earthquakes accompanying low frequency tremors near the trench axis in the Costa Rica subduction zone
W01-04
岡田悠太郎(京大)
GNSSを用いた短期的SSEの検出と継続期間の推定
W01-05
雨澤勇太(弘前大)
群発地震の継続時間と震源マイグレーションの拡散係数の関係
W01-06
上田拓(東大地震研)
Spatial variations in seismicity characteristics in and around the source region of the 2019 Yamagata-Oki Earthquake, Japan
8月31日(月)
W02-01
武村俊介(東大地震研)
OpenSWPCの紹介:スロー地震学への応用
W02-02
山谷里奈(東大地震研)
地震波干渉法茨城沖領域の3次元S波速度構造推定: 海山の沈み込みが上部地殻に与える影響?
W02-03
中川結絵(横浜市立大)
関東堆積盆地の遠地地震のS波入射に対する応答特性:観測とシミュレーションの比較
W02-04
大坪誠(産総研)
沈み込み帯における地震後の引張亀裂形成による局所的な流体放出
W02-05
奥田花也(東大大気海洋研)
Spatiotemporal variation in frictional behavior within the Nankai accretionary prism
W02-06
小澤創(東大)
本震余震系列の物理シミュレーション
W02-07
福田孔達(東大地震研)
Modeling tremor with cellular automaton models by competing time scales of stress accumulation and rupture propagation
第3回若手の回・報告

8月19日から8月31日の期間でオンデマンド発表資料+slackによる議論という形態で第3回スロー地震学若手の会を開催しました。講演希望は学生11件、若手研究者2件の計13件あり、35名の参加者がslackに参加し、テキストベースでの議論を行いました。オンデマンド形式とは別に、8月27日と8月31日に動画視聴会+対話型の議論をZoomにて開催し、それぞれ25名と27名の参加者がありました。スロー地震の検知、群発地震を含む地震活動、地下構造と波動伝播、断層構造と震源物理に関する様々は発表があり、学生および若手研究者の間で活発な議論が行われました。


2020/08/04
B01オンライン研究集会(その2)を開催しました。

日時 2020年8月4日(火)
詳細
9:30
中島淳一 (東工大)
内陸地殻における浅部低周波地震の分布とその特徴
9:55
北佐枝子 (建築研)
スラブ内地震とスロー地震
10:20
上嶋誠(東大地震研)
豊後水道域に面する西四国におけるネットワークMT観測について
10:45
市原寛(名古屋大)
日向灘における電磁気観測の現状と予察的比抵抗構造解析結果
11:10
三浦誠一 (JAMSTEC)
日向灘における海域構造調査
11:25
仲田理映 (東大地震研)
日向灘におけるスロー地震解明に向けたIODP掘削計画


2020/07/28
B01オンライン研究集会(その1)を開催しました。

日時 2020年7月28日(火)
詳細
9:30
悪原岳 (東大地震研)
自然地震観測記録による浅部スロー地震発生域の高解像度構造推定
9:55
利根川貴志 (JAMSTEC)
南海トラフにおける浅部スロー地震に関連する流体移動
10:20
汐見勝彦(防災科研)
四国地方における海洋モホ面形状と深部低周波微動活動
10:45
蔵下英司(東大地震研)
2019年四国西部構造探査データによるスロー地震発生域の構造
11:10
新井隆太 (JAMSTEC)
ヒクランギ沈み込み帯の断層構造・地震波異方性・海山
11:35
望月公廣 (東大地震研)
ヒクランギ沈み込み帯における地震波速度構造と多様な断層すべり


2020/07/12-19(会期が延長されました)
JpGU-AGU Joint Meeting 2020: Virtualでスロー地震学関連セッションが開催されました。

学会名 JpGU-AGU Joint Meeting 2020: Virtual (公式WEB
日時 2020年7月12-19日
Important
Dates
2020年1月7日:アブストラクト投稿開始
2020年2月18日 :アブストラクト投稿締切
会場 オンライン開催
詳細 スロー地震学関連セッション:
(Science of slow earthquakes: Toward unified understandings of whole earthquake process
コンビーナー:井出 哲、廣瀬 仁、氏家 恒太郎、波多野 恭弘

2020/06/30
A01・A02合同オンライン研究集会(その3)を開催しました。

日時 2020年6月30日(火)
詳細
9:30
高木涼太 (東北大)
関東地方におけるスロースリップイベントの時空間分布
9:55
淺野陽一 (防災科研)
南西諸島北部における地震・超低周波地震活動の同期
10:20
加藤愛太郎(東大地震研)
Detection of deep low-frequency earthquakes along the Nankai subduction zone over 11 years by matched filter technique
10:45
田中愛幸(東大理)
長期的スロースリップ発生域における重力観測
11:10
西川友章 (京大防災研)
Detection of Earthquake Swarms along the Hikurangi Trench: Insights into the Relationship between Seismicity and Slow Slip Events
11:35
内田直希 (東北大)
世界の繰り返し地震分布と非地震性すべり
12:00 - 12:20
議論


2020/06/26
C02班バーチャルラボツアーを開催しました。

東京理科大学の住野豊さん(C02班研究協力者)と研究室の学生さん達から、実験装置を見せていただきながら議論しました。
日時 2020年6月26日(金)12:50~14:20
詳細 壊れる流体を用いた引き摺り実験ー沈み込み体をイメージした系の作成に向けて(1,2)
膨らむゲル粒子に流体を注入するー流体移動の模倣(3,4)
1. 粘弾性流体の実際その特性に関する解説(ホワイトボードを交えて)
2. 粘弾性流体の引き摺り実験(回転系を中心に)
3. ゲル粒子の特徴とその特性に関する解説(ホワイトボードを交えて)
4. ゲル粒子への注入実験

2020/06/23
A01・A02合同オンライン研究集会(その2)を開催しました。

日時 2020年6月23日(火)
詳細
9:30
加納将行 (東北大)
地殻変動データから示唆されるSSEと巨大地震の時空間的関連性
9:55
宮澤理稔 (京大防災研)
メキシコのプレート沈み込み帯における微動の動的誘発過程
10:20
中村衛(琉球大)
琉球海溝における超低周波地震活動
10:45
馬場慧(東大地震研)
The relationship between slow earthquake activity and frictional property on the plate boundaries around Japan
11:10
小原一成 (東大地震研)
最近の西南日本スロー地震活動(特に長期的SSE)について(南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会での検討状況)
11:35 - 12:00
議論


2020/06/16
A01・A02合同オンライン研究集会(その1)を開催しました。

日時 2020年6月16日(火)
詳細
9:30
小原一成 (東大地震研) 趣旨説明
9:35
竹尾明子 (東大地震研)
九州・四国・紀伊・東海での広帯域地震観測と初期解析結果
10:00
武村俊介 (東大地震研)
3次元不均質構造を考慮した浅部超低周波地震などのCMT解析
10:25
山下裕亮 (京大防災研)
海底観測(第1期)について
10:50
廣瀬仁 (神戸大)
Slip distributions of short-term slow slip events in Shikoku, southwest Japan from 2001 to 2019 based on tilt change measurements
11:15
麻生尚文 (東工大)
島根東部の火山型深部長周期地震の初期プロセス解明へ向けた観測計画
11:40 - 12:00
議論


2020/05/27
氏家恒太郎さん(B02班班長)らの論文が Science Advances に掲載されました。

URL : https://advances.sciencemag.org/content/6/22/eaba1529


2020/05/25
オンライン研究会#1:アナログ実験の魅力と意義(仮)を開催しました。

領域の成果を総括して魅力的な形にまとめ上げていくための議論の会を企画しました。
第一回は、物理班で行なっているアナログ実験をテーマに、実地(沈み込み帯)との対応や観測研究との融合の仕方などについて議論しました。
日時 2020年5月25日(月)
詳細
9:00 - 9:10
波多野恭弘 (大阪大学) 趣旨説明
9:10 - 9:35
山口哲生 (九州大学)
アナログ実験とスロー地震
9:35 - 10:00
住野豊 (東京理科大学)
スロー地震/通常地震を対象としたアナログ実験 自発的対称性の破れで地震を語れるか?
10:00 - 10:10
(休憩)
10:10 - 10:35
隅田育郎 (金沢大学)
粉粒体ガウジの"硬さ"とAcoustic Emission (AE)のスペクトル
10:35 - 11:00
並木敦子 (広島大学)
Experiments simulating the subduction of seamounts beneath a viscoelastic crust
11:00 - 12:00
議論


2020/05/01
矢部優さん(C01班研究協力者)、井出哲さん(C01班班長)が2019年度日本地震学会論文賞を受賞しました。


2020/04/14
C01班オンライン研究集会を開催しました。

日時 2020年4月14日(火)
詳細
10:45 - 11:00
井出哲 (東京大学) 最近の研究成果アラカルト
11:00 - 11:15
有吉慶介 (JAMSTEC)
スロー地震の伝播現象から推定される摩擦特性
11:15 - 11:30
松澤孝紀 (防災科研)
関東東海地殻活動観測網による1980年代の低周波微動検出の試み
11:30 - 11:45
麻生尚文 (東京工業大学)
確率論的破壊伝播計算で考えるスロー地震の物理的実体
11:45 - 12:00
小澤創 (東京大学)
Simulated Aftershock Sequences
12:00 - 13:30
(休憩)
13:30 - 13:45
中野優 (JAMSTEC)
浅部低周波微動のサイズ分布の時間変化
13:45 - 14:00
藤亜希子 (東京大学)
南海トラフ東部に沈み込む海嶺と浅部超低周波地震の震源分布
14:00 - 14:15
八木勇治 (筑波大学)
「Mask R-CNNを用いた地震同定」と「断層形状と断層すべりの同時推定」
14:15 - 14:30
山下真司 (筑波大学)
高自由度震源過程モデルで明らかになった2018年Mw7.9アラスカ湾地震の複雑な破壊過程
14:30 - 14:45
森重学 (東京大学)
沈み込み帯温度構造に関するパラメータのベイズ推定
14:45 - 15:00
(休憩)
15:00 - 15:15
末永 伸明 (神戸大学)
琉球海溝周辺におけるフィリピン海プレートの沈み込みに伴う3次元熱対流数値シミュレーション
15:15 - 15:30
三井雄太 (静岡大学)
2011年東北地震後の地表変位速度の ゆっくりした大森則減衰: 地震直後は余効「すべり」なのか?
15:30 - 15:45
及川元己 (東京工業大学)
東北日本で発生する火山性深部低周波地震のメカニズム解
15:45 - 16:00
柴田律也 (東京工業大学)
放射パターンを考慮した経験的グリーン関数を用いた震源過程解析
16:00 - 16:15
吉岡祥一 (神戸大学)
最近の研究成果と今年度の取り組みについて
16:15 - 16:30
堀高峰 (JAMSTEC)
ゆっくり地震・通常地震モデルの統合と大規模シミュレーションの活用
16:30 - 16:45
総合討論


2020/01/30-31
「若手の会」を開催しました。

日時 2020年1月30-31日
会場 熱海温泉の旅館 大月ホテル和風館
プログラム 1月30日(木)
10:00〜15:00
丹那断層巡検
15:00〜15:30
集合&説明&班分け
15:30〜18:00
グループワーク(班ごと)
18:00〜20:00
夕食
20:00〜22:00
グループワーク(班ごと)
1月31日(金)
09:00〜10:00
朝食(班ごと)
10:00〜12:00
グループワーク(班ごと)
12:00〜13:00
昼食
13:00〜16:00
発表会
スロー地震学若手の会が静岡県熱海市で開催され、領域関係者の10名が参加した。1日目の午前には、1930年北伊豆地震の痕跡である丹那断層の巡検を行った。また、1日目の午後から2日目の午前にかけて、参加者は3つの班に分かれ、将来の研究テーマ構想に関して熱い議論を行った。2日目の午後には、その研究テーマについて発表会を行い、各班のアイデアを共有するとともに、活発な質疑を通して今後の課題について議論した。
第1班は、グループワークのテーマを「Co-seismic slip から post-seismic slip へ」に設定し、議論を行った。post-seismic slip (deformation) は、多くの場合 GNSS データを用いて co-seismic slip と独立に推定されているが、両者の滑り挙動がどのように推移するのかは予め明らかでない。しかし、この物理プロセスは地震波の発生する断層運動(co-seismic slip)から、地震波の発生しない断層運動(a-seismic slip)への遷移を紐解く上で重要である。そこで、1秒サンプリングの GNSS データに含まれる co-seismic slip と a-seismic slip の連続的なシグナルから、地震波形解析により見積もった co-seismic slip のシグナルを除することで、a-seismic slip のシグナルを抽出するアイデアが提案された。これにより、co-seismic slip の進行中に、その rupture front とは異なる場所で進行している a-seismic slip の時空間発展をも明らかに出来る可能性がある。
第2班は、沈み込み帯のalong-strike不均質と地下構造の不均質とを徹底的に照らし合わせることが重要と考えた。特に、各種の海底観測網が充実しつつある南海トラフでは、浅部スロー地震活動の顕著な領域・そうでない領域の分類結果と、地球内部構造探査あるいは掘削の結果とを比較することで、スロー地震活動をコントロールする要因に迫ることが可能になると期待できる。
第3班は、スロー地震の発見当初から示唆されていた流体の役割を、より具体的かつ定量的に検討する必要性を問題提起した。特に、近年になって地震学的に分かってきた、スロースリップイベントの周期にあわせて観測される応力場の変化と、地質学的に記録された、周期的に形成されたと考えられる石英脈について、より詳細かつ網羅的に解析することで、従来の静的な流体像から脱却し、スロー地震サイクルに伴う流体の移動と流体圧の時間変化をもとに、真の物理メカニズムに迫ろうとした。