鯰絵紹介

安政江戸地震と鯰絵

・安政江戸地震は、安政二年十月二日(1855年11月11日)の夜四ツ時(午後9~11時)に発生した内陸地震で、江戸市中での被害は、本所や深川などの低地で大きく、本郷や駒込などの台地では比較的軽微であった。
・直後に火災が発生して翌日の午前まで延焼し続け、7,000人以上の死者が生じ、多くの人々が屋外での生活を余儀なくされた。
・地震発生から約2ヶ月の期間に、地震鯰と鹿島大明神の俗説を題材として描かれた鯰絵が江戸市中に出回った。
・地震直後には、地震の鎮静化を期待して、鹿島大明神が地震鯰を押さえ込んでいる鯰絵があるが、江戸市中で再建工事が始まると、一時的に復興景気が生じて、地震鯰は世直し鯰として描かれた。

 

【参考文献】
・木下直之・吉見俊哉 編『ニュースの誕生 かわら版と新聞錦絵の情報世界』(1999)
・コルネリウス・アウエハント著,小松和彦・他 共訳『鯰絵-民俗的想像力の世界』(1979)
・宮田登・高田衛 監修『鯰絵-震災と日本文化』(1995)

鯰絵はすべて東京大学地震研究所所蔵

※このWebサイトは2013年の東京大学地震研究所一般公開で展示した“図書室展示:江戸の鯰たち~幕末の江戸に群れる地震鯰~(地震研究所図書室・地震火山噴火予知研究推進センター・地震火山情報センター)”を基に作成しました。

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