首都直下地震防災・減災特別プロジェクト

 地震調査委員会の長期評価において,南関東で発生するM7程度の地震の今後30年以内の発生確率は70%程度と予測された.また,中央防災会議の専門委員会では,首都直下地震の一つである東京湾北部地震では,最大で死者数約11000人,経済的被害112兆円と推定した.このような首都直下地震は,切迫性が高く被害も甚大なものであるが,一方でM7程度の地震の詳細は明らかとなっていない.
 そこで,首都直下地震の全体像を解明するとともに,地震による被害の軽減と首都機能維持に資することを目的とする「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト」が実施されることとなった.
 本プロジェクトは,大きく3つのサブプロジェクトに分かれている.

@首都圏周辺でのプレート構造調査,震源断層モデル等の構築等
 (中核機関:国立大学法人 東京大学地震研究所)

 首都圏で中感度地震観測網を構築して自然地震を観測し,このデータに基づいてプレート構造を推定し,制御震源等を用いた地殻構造探査の結果と合わせて首都圏で発生する大地震の震源域の地震学的構造を明らかにする.歴史地震等の記録の収集・整理・再評価を行い,首都圏で発生する大地震の発生時系列を明らかにする.さらに,首都圏で発生する地震の震源断層モデル・地下構造等のモデルを高度化して,南関東で発生するM7程度の地震をはじめとする首都直下地震の姿を明らかにし,首都直下地震の長期予測の精度向上や,高精度な強震動予測につなげることを目的とする.本サブプロジェクトは,さらに4つの大テーマに分かれている.2011年度の研究組織は,こちらをご覧下さい.

  1. 地震計を用いた自然地震観測によるプレート構造調査(地震研・防災科研・温地研)
  2. 制御震源を用いた地殻構造調査(地震研・千葉大)
  3. 歴史地震等の記録の収集,整理及び再評価(地震研・東北大)
  4. 震源断層モデル等の構築(地震研・防災科研・京大・東工大)

A都市施設の耐震性評価・機能確保に関する研究
 (中核機関:独立行政法人 防災科学技術研究所)

B広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究
 (中核機関:国立大学法人 京都大学防災研究所)


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