研究分野





プログラム&ファイル

Unbiased rank selection for automatic hysteretic response extraction

Reference : Yeow TZ & Kusunoki K. (2021), Unbiased rank selection for automatic hysteretic response extraction of RC frame buildings using acceleration recordings for post-earthqauke safety evaluations. Earthquake Eningeering and Structural Dynamics.(online access)







ウェーブレット変換に基づく加速度センサーのデータを用いた建築物の耐震性能評価及びフレーム要素と一体となった腰壁を持った鉄筋コンクリート建物の復元力

本研究は大きく2つに分けられる。まず、1つ目は、Wavelet変換を適用し、加速度データを用いて建物の性能曲線を抽出する既存の方法がE-Defense実験を通してより細分化されたことである。2つ目は、E-Defenseの試験体としてフレーム要素と一体となっている腰壁がある鉄筋コンクリート建物を用い、近年の日本の重要な建物を対象に提案された厳しい性能目標を満たす能力を評価し、損失推定方法を使用して復元力を評価したことである。本研究は防災科学技術研究所(NIED)の東京都復元プロジェクトの支援を受けている。







災害管理のための建物の復元力向上及び継続的に機能を評価するためのヘルスモニタリングシステムの開発

過去の大きな地震の経験から、災害管理センターが損傷されることにより、非常状況への対応及び復旧計画の効果が減少することが復旧を妨害するということが確認されている。そして、建物の安全性を評価するために建物の長期点検が要求されている。本研究では、大規模東京メトロポリタン復元プロジェクトの一部として、災害管理センターの復元力を向上させるための新しい建物の解決法の効果を評価するだけでなく、建物の安全性を迅速で安定的に予測するためのヘルスモニタリングシステムを開発する。本研究の一環として2019年12月のE-defense施設で3階建ての鉄筋コンクリート建物の地震シミュレーション実験が実施された。







地震ラチェット効果を示す鉄骨フレームの振動台実験

「地震ラチェット」とは、地震が起きている間、構造物が一つの方向に非弾性的に変形する現象である。偏心重力荷重を受ける構造物は前方及び後方の方向で潜在的に不均衡な強度を持つため、このような挙動を起こしやすい。そのような挙動を示す鉄骨フレームの振動台実験は構造ヘルスモニタリングシステム法と既存の構造分析が地震ラチェット効果を捕らえることができるかを評価するために行われた。







計測建物のリアルタイムモニタリング

地震後の目視による損傷検査は資源を大量に消費する主観的な過程であり、居住者が安全な建物から不必要に移動したり、深刻な損傷が誤認されたりする可能性がある。このような問題を解決するため、楠研究室は日本国内と海外に数多くの建物を計測してきた。センサーのデータは建物の動的特性と安全状態をリアルタイムでモニタリングすることに用いられる。楠研究室のシステムは、大規模な地震が発生してから数分以内に、被災地にある対象建物の対応と潜在的な損傷レベルを詳細に報告するレポートを作成し、地震後の評価に必要な資源を減少させながら、建物の安全性に関する情報を迅速に提供する。損傷分類方法の精度を高め、多数の建物の計算を行うシステムの効率を高めるための研究が行われている。







Wavelet変換に基づく性能曲線評価における応答変位の影響の検証

 加速度データを用いる時の問題点は、残留変位情報を捕らえることができず、これによってピークの変位応答が過小評価される可能性があるということである。それで、別の方法としては、建物の変位又は層間変位が測定できるセンサーを明示的に用いることである。本研究では、建物の変位応答データを加速度応答から算出するのではなく、性能曲線基盤の評価方法に直接使用できる可能性を調査した。







Wavelet変換を用いた1次モード抽出法に関する研究

加速度センサーを用いた残余耐震性能把握手法では,ウェーブレット変換を用いて建物の1次モードに対応する周波数帯(ランク)の加速度成分を抽出することにより性能曲線の算定を行っている。これまでウェーブレット変換を用いた性能曲線算出方法は有効性が検証されてきたが,塑性化に伴って1次モードの周波数帯が変化する木質構造や比較的大きな高次モードの振動性状を示す塔状の建物において,ランクの判定が困難であることが分かってきた。そこで本研究では,1次,2次モードの周波数帯がナイキスト周波数の境界と干渉するようパラメータを変化させた解析及び振動実験を行い,その振動性状が性能曲線の算出に及ぼす影響について考察を行うことを目的とする。







変形分離によるRC造部材に関する降伏変形角の新しい計算方法とその精度

鉄筋コンクリート造建築物において,地震応答を精度良く評価するために,降伏点の変形と耐力は重要な因子である。また,現行の建築基準法に規定された限界耐力計算法により,建築物の耐震性能を検証するためには,限界変形と応答値を比較しなければならない。大地震時,建築物の応答低減係数Fhに応じ要求曲線を低減するに伴い,想定される応答点は低減する。そのため,応答低減係数Fhの精度向上のために,等価減衰定数heqの精度は重要である。また,等価減衰定数heqを計算する時,部材の塑性率(最大変形/降伏変形)が必要であるので,応答低減係数Fhを精緻化するため,建物の塑性率を検討する必要がある。塑性率の精度を評価する際には,降伏点の変形が大きく影響する。







FEM解析を用いた水平荷重を受ける厚肉床壁構造の厚肉耐力壁-厚肉スラブ接合部の耐震性能についての評価 

本研究では,厚肉耐力壁と,せいはスラブ厚さと同じで幅は壁厚さより大きい扁平壁梁内蔵の厚肉スラブで構成された新たな構造システムである厚肉床壁構造を対象とし,水平荷重を受ける厚肉耐力壁-厚肉スラブ接合部の力学的特性を検討した実験結果に基づき,FEM解析を用い,その接合部の水平剛性および耐力の算定方法とパンチング破壊に関する検定法の確立を示す。







実建物の振動観測

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本山寺五重塔の耐震性能の評価

保存目的で文化的に重要な構造物の動的特性と挙動をよりよく理解するため、日本の四国地方にある5階建ての2つの塔に加速度計を設置した。これらの塔は、四国88寺巡礼の一部である善通寺と本山寺にある。各塔の中には高さによって様々な位置に7個のセンサーが配置されており、現場を訪問する人はQRコードを利用してリアルタイムの加速度測定値が確認できる。塔のモニタリングは東京大学大学院工学研究科の藤田香織教授と共同で行っており、本山寺整備委員会、防災科学技術研究所、セコム科学技術振興財団の支援を受けている。







新しい耐震補強方法の開発

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被災度区分判定と地震保険における損害認定の関係に関する研究

地震により被害の生じた建物に対して行われる、被災度区分判定と地震保険における損害認定の調査においては、調査に時間を要すなどの課題がある。そこで、これらの調査を建物に設置した加速度計から得られる性能曲線を用いて行うための取り組みが進められているが、そのためには性能曲線と2つの調査を比較する必要がある。本研究ではその一環として2つの調査を比較し、損害認定の課題の発見・修正を提案する。







構造ヘルスモニタリングのための革新的なセンサーの開発

楠研究室は構造ヘルスモニタリングのための革新的な技術開発に興味を持ち、現在は建物と橋の地震被害の推定法の改善に用いられる層間の構造変位を直接測定できるセンサーに関する研究を行っている。