次世代型レシーバ関数の開発
地震学で広く用いられているレシーバ関数解析手法は、高周波帯域での解析や、海面多重反射波が卓越する海底地震計のデータへの適用時に正しい計算ができませんでした。本研究では、この問題を解決するために、ベイズ統計を活用した新手法を提案しました。
従来の手法と比較した優位性
左下の図は、海底地震計の波形を模した疑似的な波形データです。この入力データから、地下構造の情報を抽出することを試みます。右下の図に、さまざまな手法による結果を示しています。上2段が従来よく用いられてきた手法、一番下の段が新しく開発した手法を表しています。計算された波形(黒線)が正解の波形(赤線)に近いほど、良い手法だと言えます。
入力波形
結果―さまざまな手法の比較
観測データへの適用例
日本海に設置された海底地震計のデータに、従来の手法と本研究で開発された手法の両方を適用してみました。下の図では、さまざまな場所で発生した地震波形の処理結果を並べて表示し、振幅で色付けしています。新手法の図上では、従来の手法では見えにくかった後続フェーズがはっきりと見えています。これらは、地下に存在する不連続面に由来する変換波・反射波を表しています。新たに見えるようになったフェーズの情報を用いることで、地下構造をより詳細に明らかにすることができます。
観測データへの適用結果
参考文献
- Akuhara, T., Bostock, M. G., Plourde, A. P., & Shinohara, M. (2019). Beyond Receiver Functions: Green's Function Estimation by Trans‐Dimensional Inversion and Its Application to OBS Data. Journal of Geophysical Research: Solid Earth, 124. https://doi.org/10.1029/2018JB016499