鯰絵紹介

鯰絵について

 日本列島のような地震多発地帯には、大地を支えている動物が身動きすると地震が起きるという内容を持つ神話や信仰が多くある。日本にも仏教の影響を受けて同じような考え方があり、遅くとも鎌倉時代のはじめには、日本は巨大な龍に取り囲まれているとされており、その龍が動くことで地震が起こると考えられていた。江戸時代のはじめになると、地震を起こす原因は地中にいる鯰へと変化し、鯰は姿形が目に見えない地震を表現するものとして用いられた。
 安政江戸地震の際に、地震鯰と鹿島大明神の俗説を題材として描かれた鯰絵が江戸市中に出回った。この鯰絵は無許可で発行されており、地震発生から約2ヶ月後には幕府によって発売禁止となった。その期間に出回った鯰絵には、地震直後は地震の鎮静化を期待して、鹿島大明神が地震鯰をおさえ込んでいる鯰絵などがあるが、江戸市中で再建工事が始まると、一時的に復興景気が生じて地震鯰は世直し鯰として描かれている。

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資料はすべて東京大学地震研究所所蔵

※このWebサイトは2017年の東京大学地震研究所一般公開で展示した“地震研究所図書室所蔵資料展示 大江戸の大地を揺るがす地震鯰”を基に作成しました。

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