南海トラフ沿いの巨大地震が発生した際に生じる高知県及び大阪府における構造種別ごとの建物損失率の期待値を示す。最大値は,高知県では木造で60 %,RC造とS造で30 %,大阪府では木造で35 %,RC造とS造で20 %程度である。
防災の基礎となる 8 つの能力について,現在学校や地域で実践されている防災教育がどの能力を向上させるものであるかを調査した(左図)。その結果,「地震・津波・火山を科学的に理解する」「気象災害を過去の被害を踏まえて理解する」「平時に被害を出さない方法を知る」,及び「地図などを用いて地域で起こる災害を知る」を向上させるための教育が相対的に少ししか実践されていないことが明らかとなった。この結果を体系的に整理することで,防災基礎力を向上させるための教育実践のあり方を提案した(右図)。本研究の成果は,文部科学省が発行した「実践的な防災教育の手引き(小学生編)」に活用され,社会実装・社会普及を実現した。