タイトル:
実験を通して明らかにする地球の粘弾性
要旨:
地球の内部では、マントル対流から地震波伝播に至るまで、数億年から数秒という幅広いタイムスケールにわたって様々な変形が起きている。こうした変形現象を捉えた観測結果を解釈し、内部構造やダイナミクスの実体を解明するには、地球を構成する岩石の粘弾性的性質の理解が不可欠である。私はこれまで、多結晶体の粘弾性挙動(特に非弾性挙動)を明らかにするために、岩石アナログ物質や氷を試料に用いた実験的研究に取り組んできた。特に、粒界や転位といった格子欠陥、およびメルトなど流体の存在が、多結晶体の変形特性に与える影響に着目し、その定量的な評価を進めてきた。本発表では、これまでの研究成果を報告するとともに、地震研究所で今後取り組む予定の岩石変形実験の構想と、地球ダイナミクス解明に向けた新たな展望についても紹介する。
