金曜日セミナー:着任セミナー (2019年3月1日) 西山 竜一 氏(地球計測系研究部門 助教)

マグマは火道を通って,あるいは火道を形成しながら地表に噴出するわけであるから,地表に噴出する前にその動きをとらえることができれば,噴火の予知が可能になる.重力観測および宇宙線ミューオン観測(ミュオグラフィ)は,ともに物質の密度に感度がある物理探査手法であり,マグマの昇沈による質量移動を,万有引力・宇宙線透過率の変動として直接的に検知できる.本セミナーでは,私が取り組んできた観測として,(1)北海道・昭和新山溶岩ドームの3次元密度構造測定,(2)山岳氷河下の基盤岩形状測定の結果について紹介する.これらのスタティックな観測例では,密度構造の時間変化を議論することはできなかったが,今後は噴火活動に対して機敏に対応した観測を実施し,マグマの移動にともなう質量移動を捕まえたい.そのためには,噴火の静穏期における重力場の傾向を理解しておくこと,宇宙線のエネルギー分布自体への理解が必須であることが分かってきた.実際の観測データをもとに,現状の課題と将来の展望を議論する.

Gravity and muography measurements have been performed in volcanic regions as they have potential for detecting movement of mass associated with ascending or descending of magma. In this seminar, I introduce some case studies of such measurements where the survey targets are (1) lava dome (Mt. Showa-Shinzan, Hokkaido, Japan) and (2) alpine glacier (Aletsch glacier, Switzerland). Though these examples, I would discuss the problems and prospects of these technologies regarding detection of magma movement.