金曜日セミナー:着任セミナー (2020年2月7日) 大谷 真紀子 氏 (数理系研究部門 助教)

地震サイクルの理解と予測を目指したシミュレーション研究

断層では地震やスロースリップ(SSE)等多様なすべり現象が観測される。これらは互いに影響を及ぼし合っていると考えられ、その関係性を理解することは巨大地震の発生予測に繋がる可能性がある。そこで、計算機上で観測される断層面上の多様なすべり現象を説明するモデルを構築し、その時間発展(巨大地震発生サイクル)を模擬する地震発生サイクルシミュレーション(ECS; Earthquake cycle simulation)研究が行われている。ECS 研究では、より良い応力評価を行うためのECS計算手法の高度化と、ECSを用いて実際にサイクルを調べる研究の両方が重要である。本セミナーでは、私がこれまでに行った研究から(1)弾性ECSの計算大規模化研究及び(2)巨大地震と繰り返すSSEの関係について調べた研究を紹介する。また現在、巨大地震後の余効変動のより現実的なモデル化を目指して、ECSへの粘弾性応答の導入及びデータ同化を用いた研究を行っている。これについても紹介する。