談話会と『地震研究所彙報』

地震研究所の研究体制が出来上がった大正15年(1926)2月、本所創設のわずか3ヶ月後に、所員による第1回談話会が開催されます。

【講演題目】
コンクリート平屋の振動測定              石本巳四雄
逆振子微動計の考案                  石本巳四雄
地震観測整備の一班                  今村明恒
10月には、各所員の研究題目も次のように決まり、『地震研究所彙報(いほう)』第1号が発刊されます。

【研究題目】

地震計測器の研究                   石本巳四雄
地震観測の整備、地震計の改良、微傾斜観測水準変動   今村明恒
構造物耐火試験、建築物の震動             内田祥三
中央気象台にて研究                  岡田武松
構造物振動及模型実験                 末広恭二
地殻及地震波の弾性力学的研究             妹沢克惟
地形調査                       多田文男
火山調査、岩石閲歴的研究               坪井誠太郎
弾性波の生成及波及の実験               寺田寅彦
高圧下の岩石の性質                  長岡半太郎
捩、皺、庇割の研究                  藤原咲平
材料強弱研究                     物部長穂
地形調査                       山崎直方

【地震研究所彙報第1号目次】
鉄筋コンクリート造平屋ノ振動特性        所員 石本巳四雄
逆振子微動計ノ考案                  石本巳四雄
地震観測整備ノ一班               所員 今村明恒
壁体ノ耐火試験第一回報告            所員 内田祥三
脈動ニ就テ              中央気象台技師 和達清夫
地震波分解器及其記録              所員 末広恭二
関東震災地一体ニ於ケル土地ノ隆起及沈下状態(転載)  陸地測量部

広い範囲から、所員と研究成果を求めていたことが、うかがわれます。月例の談話会は2013年11月で921回を数え、『地震研究所彙報』の発行も継続されています。

地震研究所彙報・第1号表紙

地震研究所彙報・第1号表紙