ウェブサイト立ち上げ:2015年4月27日
最終更新日:2015年4月30日
4月25日、ネパール中部でM7.8の地震が起きました。
(海半球観測研究センター: Wang Dun )
震源逆投影解析(back projection)の結果
(災害科学系研究部門:纐纈一起・小林広明・三宅弘惠)
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応用地震学研究室のHPでも随時情報を更新しています。
最新情報はこちらへ:応用地震学研究室: 2015年ネパールの地震
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背景にあるテクトニクス
インドプレートは年間5~6 cmという速度で北上し,現在はユーラシアプレートに衝突している(図1).このプレートの相互作用が今回の地震を発生させただけでなく, ヒマラヤ山脈やカトマンズ盆地などの山岳地形を形成している.
図1.5千万年前(上)から現在(下)までのインドプレートの北上とユーラ シアプレートとの衝突(Courtesy: Dahal, R. K., 2002).
衝突の前面であるネパール・インド国境付近ではまさに衝突の状態にあるが(図1中・右),そこより北側のヒマラヤ山脈直下では過去に存在したテチス海(図1左)の海洋性プレートが沈み込んでいる.今回の地震はこの沈み込み部分で発生した.
今回の地震の震源断層
今回の地震の震央(破壊開始点)と6時間以内の余震を図2にプロットし,それらに基づいて165 x 105 kmの震源断層を推定した. これまで,ネパール地域の巨大地震は,浅い衝突部を中心に発生すると考えられていたが(たとえば図3),今回の地震の震源断層はその北側のやや深い部分(図1の沈み込み部分)にあり,従来の想定や研究結果(Sapkota et al., 2013など)とは異なっている.
震源インバージョンの結果
遠地実体波をデータとしてKikuchi and Kanamoriの方法により震源インバージョンを行った.その結果,Mw(モーメントマグニチュード)7.9の震源過程モデルが得られた.このモデルによるすべり分布(最大すべり4.3 m)を,余震分布等に重ね描いたものが図4である.大きなすべりの領域が余震の発生が少ない領域と重なるのは,過去の地震の経験則と調和的である.また,カトマンズが大すべり域にかかってしまっていることは当地の大きな被害に関連があると考えられる.
(地震火山情報センター:鶴岡 弘)
W-phase ソースインバージョンによって決定されたモーメントテンソル解
世界中で観測された、この地震による地震波の記録からWフェーズを取り出し、Kanamori and Rivera (2008)の方法で解析した モーメントテンソルインバージョンによるメカニズム解です.
グローバルな観測点の地震波形を用いた処理結果