入力波動場に基づく2つの鉄筋コンクリートビルと1つの木造建築の地震応答

Masahiro Iida, Masanori Iiba, Koichi Kusunoki, Yuji Miyamoto, and Hiroshi Isoda

International Journal of Geomechanics, American Society of Civil Engineers, 15(6), Paper No. 04014093 (2015).

DOI: 10.1061/(ASCE)GM.1943-5622.0000444.

既存の方法で構造物の応答解析を実施すると、説明できないことがたくさんあります。その最大の原因は、構造物の応答解析法において、地震波動を適切に考慮できていないことです。そこで、図に示すように、深い地下構造内に適切な波動状態を実現して、地盤と建物の相互作用解析を実施する方法を開発しています。

現在の研究は、上記の方法を開発するための2番目の研究で、方法の有効性を再確認するものです。最初の研究は、メキシコ市のかつて湖であった地盤区域で実施しましたが、今度は東京湾の埋立区域で実施しました。標準的な従来の応答解析法で得られる建物の応答と、比較しました。提案した解析法で得られる建物の応答は、特に矛盾点がなく、方法がすぐれていることを示しました。

従来の応答解析法との違いは、大きく見て2つあります。1つは、相互作用系の各部分では単純なモデルを使用していますが、地震波動、地盤、建物の下部構造(地下部分)、建物の上部構造(地上部分)、をバランスよく考慮していることです。もう1つは、地震波動を適切に考慮していることです。後者については、地震動を構成する波動を、予め別の研究において評価しています。

2つの鉄筋コンクリートビルと1つの木造建築に対して使用された、3次元の上部構造ー基礎ー杭ー地盤系の平面図と側面図。波動状態を評価するための深い地下構造も表示されている。