EGU2018へブース出展

2018年4月8-14日まで開催されたEGU General Assembly 2018(欧州地球科学連合2018年大会)にて地震研展示ブースを出展し、研究所の紹介や国際室の招聘制度への応募呼びかけがされました。また、ブースにて、過去に地震研で共同研究をされたことのある方々との同窓会が開催されました。共同研究者の他にも、去年の夏に開催されたSakura Science Programで来所していた学生およびその教員の参加もあり、賑わいました。

ERI had a booth at the exhibition hall in EGU(European Geoscience Union) 2018. Call for entry to our International Visiting Program was done (http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/kokusai/english/visiting/apply_e.html).

On Tuesday afternoon, an alumni gathering was held at the booth with researcher and students who have visited ERI using the Interantional Office program and Sakura Science Program.
Thank you all for your visit!

超巨大噴火の噴煙シミュレーション

Antonio Costa, Yujiro J. Suzuki, Takehiro Koyaguchi
Nature Communications, 9:654, 2018.
DOI: 10.1038/s41467-018-02901-0

解説
爆発的な火山噴火では火山灰を多く含む噴煙が放出され、火山の真上にあがる噴煙柱や上空で横に広がる傘型噴煙、地表を流れ下る火砕流を作ります。上空での噴煙は航空機運航の障害になりますし、火砕流は人命を危険に晒します。私たちはカルデラを形成するような超巨大噴火を経験したことがなく、そのような噴火で被災する領域を正確に予測することができません。そこで、数値シミュレーションを使って超巨大噴火での噴煙の高さや広がりを調べました。

独自に開発してきた3次元の流体シミュレーションを行ったところ、噴火の規模が変わると噴煙の形状や振る舞いが大きくことなることを明らかにしました。ピナツボ火山の1991年噴火程度だと、ほとんどの噴煙は上空にあがって噴煙柱を作ります(図のa)。それより数倍大きな噴火では、噴煙柱と火砕流が同時に形成します(図のb)。噴火の規模がaの10倍にもなるとほとんどの噴煙は火砕流として流れ、火砕流の上面から”灰かぐら”と呼ばれる噴煙が上がります(図のc)。さらに噴火の規模が大きくなると、火砕流の先端に濃い噴煙が集まり、リング状の灰かぐらが生まれます(図のd)。噴煙の最上面に注目すると、a,b→c→dにしたがって“ドーム状”→“テーブル状”→“リング状”というように大きく異なることが分かります。

リング状の噴煙が形成することは、今回の研究で初めて明らかにしました。また、これらの噴煙形状は噴煙の高度にも強く影響することが分かり、これまでの噴煙高度予測を大きく変える結果となります。

図:超巨大噴火で発生する噴煙の3次元数値シミュレーション結果。a→dの順に噴火規模が大きくなる場合で、それぞれの上図が噴煙の濃度、下図が噴煙全体の鳥瞰図を示します。