臼井嘉哉、上嶋誠、坂中伸也、山谷祐介、小川康雄、市來雅啓、本蔵義守、黒木英州、北関東MT観測グループ
Crustal fluids and their relation to seismic activities in the Nikko-Ashio area of Northeastern Japan inferred by electrical resistivity imaging, Tectonophysics, 917, (2025). https://doi.org/10.1016/j.tecto.2025.230958
栃木県の日光・足尾周辺は地震活動・火山活動ともに活発な地域です。本地域では群発地震が観測され、過去に、M6以上の地震も複数回発生しております。また、日光白根山、男体山などの活火山や第四紀火山が存在しています。そのため、日光・足尾地域は地震活動・火山活動とその相互関係を理解する上で重要な場所です。
地震・火山活動ともに地下深部の流体が関係していることが指摘されております。私たちは日光・足尾地域の地下の流体の分布を明らかにするため、本地域で地表の電磁場を観測し、そこから地下の電気比抵抗構造を推定しました。電気比抵抗は電流の流れにくさを表す物理量で、地中の間隙流体の量とそのつながり方に強い感度があり、流体の量が比較的多い場所では電気比抵抗は一般的に低くなります。
観測データを解析した結果、日光白根山と男体山の下に電気比抵抗が低い領域が分布することを明らかにしました。この低比抵抗域は日光白根山と男体山のマグマ供給系を示していると解釈でき、高温かつ流体に富んでいると考えられます。この低比抵抗域の外縁付近では2013年にM6.3の内陸地震が起きています。マグマ供給系と推測されるこの低比抵抗域の外縁における地下の流体量や温度の不均質が本内陸地震の発生に関与した可能性を示唆しています。

