着任セミナー(西山昭仁助教)
「歴史地震研究における課題と今後の展開」西山昭仁(助教)
歴史地震研究は,歴史時代に発生した地震を対象としており,歴史学と地震学との文理融合の研究分野である.歴史地震研究には地震学と同様に明治時代以来の研究の蓄積があり,大きく分けて歴史学における研究と地震学における研究がある.報告者がこれまで取り組んできた歴史地震研究は,地震災害と都市の歴史との関連性について検討した歴史学における研究であり,地震学における研究とはその目的を異にしている.
歴史地震を対象とする歴史学における研究も地震学における研究も,現存する史料に依存しているため,史料の検討が研究上重要である点では共通している.本セミナーでは,歴史地震に関する報告者の研究事例を紹介し,歴史地震研究における現状での課題や,史料の検討に重点を置いた研究の今後の展開について提示してみたいと思う.